週末に気温の乱高下のあと強烈寒波が襲来へ、来週にかけ大雪による交通障害など十分注意
関東上空は20度近くも急降下
師走に入っても寒暖差の大きな状態が続いていますが、この週末に再び気温の急変が起こり、しかも劇的な乱高下となりそうです。上図は上空1500メートル付近の気温の予想で、赤色が濃くなればなるほど平年より高く、青色が濃くなればなるほど平年より低いことを表します。
上図によると、16日(土)は日本付近が平年より10度前後も高い赤色の暖気に覆われているのに対し、17日(日)には一転、大陸から寒波が襲来し、一気に平年より低い青色に激変しています。特に関東上空ではわずか1日で20度近くも急降下する予想です。
東京は3か月も季節が激変
東京都心の予報をみると、暖気にすっぽりと覆われる16日(土)は最高気温が23度と平年より約11度も高く、10月10日頃の暖かさとなる予想で、師走としては記録的な暖かさとなる可能性があります。(東京都心の師走の23度以上は過去6回のみ)
ところが、その後急降下し、18日(月)は晴れても10度と、今度は1月10日頃の真冬の寒さとなるでしょう。季節が一気に3か月も激変する予想です。そして寒くなった後は、気温の急変は起こらず、来週いっぱい真冬の寒さが続く見通しです。
寒波が長期滞在へ
17日(日)に日本付近に襲来した寒波は19日(火)には一旦緩む予想ですが、21日(木)には次の寒気がまさに波のように襲来し、列島をすっぽりと包み込む予想です。しかも来週後半の寒波の方がより強くなる可能性があり、そのまま来週末にかけて、ほぼ1週間程度、強弱を付けつつ居座る計算となっています。
日本海側は一気に積雪増、九州でも雪に
上図は日本海側を中心とした10日間予報で、札幌はこの先ずっと厳しい寒さが続き、東北から北陸にかけても、17日(日)以降は厳しい寒さと雪の降りやすい状態が続くでしょう。一気に積雪が増える心配があります。
また15日(金)から16日(土)にかけて、20度以上まで上がる松江や福岡などでも、17日(日)は一気に真冬の寒さとなり、特に寒気の強まる来週中頃からは福岡など、九州でも断続的に雪が降る見込みです。
北日本は10年に一度の大雪のおそれ
上図は気象庁から発表される早期天候情報の降雪量に関するもので、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい降雪量となる可能性がいつもより高まっている時に、6日前までに注意を呼びかけるために発表される情報です。
この情報がきのう11日(月)、北日本の日本海側に対して発表され、寒波の襲来に合わせるように、17日(日)頃からは顕著な大雪となるおそれがあります。12月はまだ日本海の海水温が高いため、長期で強い寒気団が流れ込めば、なおさら降雪量が増える心配があり、東北のこの期間における5日間の大雪の基準は平年の219%となっていて、山沿いを中心に50センチから100センチ以上の降雪量となる心配があります。
3年前の2020年12月16日から17日にかけては、同じように日本海の海水温が高い所に強い寒気団が流れ込んだため、新潟県などで24時間に100センチ以上の顕著な大雪となり、高速道路で1000台以上の車が動けなくなるなど、自衛隊が災害派遣されるような事態となりました。
まだどれくらいの降雪量となるかのは予想が難しい段階ですが、週末から来週にかけて、交通障害やなだれ、落雪などに十分な注意、警戒が必要です。