寒波ならぬ暖波が襲来

１１月なのに寒波ならぬ暖波が襲来します。上図は上空１５００メートル付近の気温の予想で、赤色が濃くなればなるほど平年より暖かな空気に覆われる状態となります。

あす１日（水）は日本海側を中心に暖気に覆われ、さらにあさって２日（木）から３日（金）文化の日にかけては、列島全体が赤色となり、日本海側や北日本を中心に、平年より６度以上高い所が多くなるでしょう。このため、多くの所で、９月中旬から下旬並みの汗ばむ陽気となり、１１月なのにまるで残暑のような異常高温となりそうです。

東京都心はまさに異例、１１月に３日連続の夏日か

では、東京都心の予想最高気温を見てみましょう。あす１日（水）は２２度の予想ですが、あさって２日（木）は２５度の夏日が予想され、３日（金）文化の日と４日（土）はさらに上昇し、２６度まで上がる予想です。

後述しますが、１１月に東京都心で夏日が２日以上連続することは初めてのこととなり、２６度以上まで上がれば、１１月としては、記録的な暑さということになります。

東京都心の１１月の夏日記録

上図は、東京都心で１１月に観測された２５度以上の夏日の記録で、観測が始まった１８７５年以降では、計１３回あります。

まず高温に関してみてみると、２６度以上まで上がった記録は、赤文字で示した２回しかなく、予想通り２６度以上まで上がれば、１９７７年以来、４６年ぶりの暑さとなり、２６．８度以上まで上がれば、１９２３年以来、１００年ぶりの暑さとなります。もちろん２７．３度以上まで上がれば、１１月としては観測史上１位の暑さということになります。

次に、連続夏日に関してみてみると、そもそも１１月に夏日が連続したことは一度もなく、連続でなく２回出現したのが１９７９年のみとなります。ですから、もし予想通り、２日（木）から４日（土）まで３日連続で夏日になれば、過去初めての異常高温だということが言えそうです。

記録的な暑さが続出する可能性も

東北から九州にかけての予想最高気温をみてみましょう。

仙台は３日（金）に２５度の夏日が予想されていますが、仙台のこれまでの１１月１位の暑さは１９７９年１１月２日２４．４度ですから、夏日になれば、１１月としては観測史上初めての暑さとなります。

また福島は３日（金）に２６度が予想されていますが、福島のこれまでの１１月１位の暑さは２００９年１１月１日２６．０度ですから、１１月としては、観測史上１位の暑さとなる可能性が十分にあります。

さらに熊谷は２日（木）に２７度が予想されていますが、熊谷のこれまでの１１月１位の暑さは１９２３年１１月１日２７．６度ですから、１１月の観測史上１位の暑さに迫るか、あるいは更新する可能性も考えられるでしょう。

このほか、東海から九州にかけても数日間、夏日が続き、場所によっては２７度から２８度くらいまで上がる所もありそうです。夏日になっても、空気は乾いているため、熱中症に警戒というレベルまではいかないと思われますが、紅葉の進み具合や農作物の管理などには注意を要します。