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発生の遅い台風14号が急速に発達へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風14号の雲(ウェザーマップ)

強い勢力で沖縄の南へ

台風14号の予報円(ウェザーマップ)
台風14号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風予報円(気象庁発表)

きょう30日(土)午前3時、フィリピンの東海上で台風14号が発生しました。今月8日(金)に、東海沖で消滅した台風13号以来ですから、約3週間ぶりの新たな台風の発生です。

今年は台風の発生数が少なく、特に9月に入ってからその傾向が顕著となっていて、台風14号が発生した日時としては、1951年の統計開始以来、73年間で9番目に遅い発生となります。(速報値)

台風14号は、30度前後もある暖かな海面上で発達しながら北上を続け、週明け10月3日(火)午前9時には、強い勢力で沖縄の南海上に達する見込みです。その後、予報円の真ん中を進むと、時速10キロ程度のノロノロとした速さで、5日(木)頃にかけて、石垣島の南海上を西進する予想です。予報円の北側を進むほど、暴風域に入る可能性が高くなり、影響が長引くおそれがあります。

太平洋高気圧がブロック

太平洋高気圧と台風14号の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と台風14号の予想(ウェザーマップ)

上図は3日(火)昼頃の台風14号と太平洋高気圧の予想を示したものです。太平洋高気圧は日本の南東海上で勢力が強く、そこから東シナ海にかけて高気圧のベルトが伸びており、台風14号はこれにブロックされるように、沖縄の南を西進する予想です。

今のところ、台湾方面へ進む計算でかなり揃っていて、沖縄付近を北上する可能性はかなり小さいとみられますが、少数派ながらも本州の南へ進める計算もあるため、沖縄以外も、念のため、最新情報にご注意ください。

長丁場の荒天のおそれも

雨と風の予想(ウェザーマップ)
雨と風の予想(ウェザーマップ)

台風14号は沖縄の南を西進しますが、動きが遅く、時速10キロ程度のノロノロ進行が予想されているため、石垣島などの八重山諸島を中心に、3日(火)から5日(木)頃にかけて、比較的長い時間、荒天となるおそれがあります。

予報円の北側を通れば通るほど、暴風を伴った大荒れが長時間続くおそれがあり、特に八重山諸島は、台風14号の動きに厳重な警戒が必要です。

参考:国立情報学研究所(デジタル台風)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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