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関東は大猛暑を伴っての梅雨明けか、東京をはじめ、熱中症警戒アラートが広範囲に発表されるおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
予想天気図(ウェザーマップ)

関東は一足早く梅雨明けか

関東甲信の10日間予報(ウェザーマップ)
関東甲信の10日間予報(ウェザーマップ)

タイトル画像であす10日(月)の予想天気図をご覧ください。

梅雨前線が日本海沿岸に停滞しており、ピークを越えるものの、まだ九州付近には大陸から非常に湿った空気が流れ込むため、大雨となる所があるでしょう。

一方、関東地方は南の太平洋高気圧の勢力下に入り、南部を中心に夏空が広がって、猛烈な暑さとなりそうです。ただその後、太平洋高気圧の勢力が一気に拡大するわけではなく、しばらくは関東ギリギリのラインでの勢力となるため、北部を中心に、にわか雨や雷雨が起こりやすく、不安定な夏空が続くでしょう。とはいえ早ければあす10日(月)にも関東甲信で梅雨明けの発表があってもおかしくない状況です。

もし梅雨明けの発表があれば、関東甲信地方の梅雨明けの平年値は7月19日ですから、平年より10日近く早いことになります。ただ7月10日以前の梅雨明けは過去に10回以上ありますので、記録的に早い梅雨明けというわけではありません。

危険な21度線にスッポリと

上空約1500メートルの気温予想(ウェザーマップ)
上空約1500メートルの気温予想(ウェザーマップ)

梅雨明けの可能性がある関東地方ですが、梅雨前線が北へ持ち上がるため、一段と暖かな空気に覆われる予想で、上図のように上空約1500メートルで21度以上の暖気にスッポリと覆われる予想です。

この21度以上の暖気は、夏季に晴れれば、35度以上の猛暑日をもたらす危険な暖気で、特に海風の届きずらい内陸では、さらに上昇し、体温を軽く上回るような大猛暑をもたらす力があります。今週は関東地方にずっとこの暖気が居座り続ける予想で、連日の猛暑に見舞われる可能性があります。

38度超が続出するおそれも

最高気温ガイダンス(ウェザーマップ)
最高気温ガイダンス(ウェザーマップ)

あす10日(月)のコンピュータによる計算(最高気温ガイダンス)では、関東の内陸で37度から38度を上回る大猛暑が予想されており、今現在の最高値は、MSMガイダンスによる群馬県上里見の38.9度となっています。

今年これまで全国で最も暑かった所は、おととい7日(金)新潟県新津で観測した37.0度ですから、あす10日(月)の関東地方は今年全国で一番の暑さが続出することになりそうです。ちなみに東京都心の予想最高気温はMSMガイダンスで35.7度、GSMガイダンスで34.6度となっており、おととい7日(金)観測した34.2度を超えて、今年一番の暑さ、しかも初猛暑日となるかもしれません。

東京をはじめ、今年初の熱中症警戒アラートが発表か

熱中症警戒レベル(ウェザーマップ)
熱中症警戒レベル(ウェザーマップ)

環境省が発表している熱中症警戒レベルが上図です。(熱中症予防情報サイト

これは気温や湿度などによって算出される暑さ指数(WBGT)をもとに発表されるものですが、けさの時点での発表では、関東地方の広範囲で紫色の極めて危険となっています。これは暑さ指数で33以上となっていることを表し、この33以上が熱中症警戒アラート発表の指標となっています。

このあと気温や湿度などの計算によって、最新情報が計算されていきますが、もしきょう9日(日)夕方の段階でも33以上の暑さ指数が計算されていれば、あす10日(月)は東京をはじめ関東の広範囲で今年初の熱中症警戒アラートが発表されることになります。

とにかく、湿度、湿気を伴った厳しい暑さ、猛烈な暑さとなりますので、熱中症には最大級の警戒が必要ということになりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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