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10日(金)の関東平野部の雪は、いつ雨に変わるかが最大のポイント

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雪の日比谷公園(写真:アフロ)

滞留寒気がどれくらい残るかが最大のポイント

上空500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)
上空500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)

10日(金)は南の海上を通過する低気圧の影響で、関東平野部でも雨や雪が降る予報となっており、この雨か雪かを予想する最大のポイントが、最下層と呼ばれる上空500メートル付近の寒気で、滞留寒気とも呼ばれています。

上図で群馬や栃木、埼玉を中心に形成されているのが滞留寒気で、0度以下ならば、地上で雨に雪が交じり始め、-1度から-2度以下になれば、雪が主体で降ることが多くなります。

10日(金)午前9時の予想では、都内は全域で0度以下の水色となっており、特に多摩地方は-2度以下なので、降水があれば、広く雪が主体と考えられます。ところが正午から午後3時にかけては、南東から暖かな空気が流れ込み、この滞留寒気が徐々に小さくなる計算、多摩地方でも徐々に0度以上へと昇温する予想です。

ですから、この予想通りならば、昼頃までは雪が主体で降る所が多いものの、午後は群馬などの内陸や山沿いを除いて、次第にみぞれや雨が主体に変わるものと思われます。

ただこの滞留寒気の予想は大変難しく、時にはなかなか弱まらずに居座るようなこともあり、そうなると、雪の時間が長引くことになるため、今後も出来る限り最新の計算を見ていかねばなりません。

10日(金)朝から広く雪が舞う

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

10日(金)朝には南の海上から弱い降水域が広がってくる予想で、滞留寒気も強いため、朝の通勤通学の時間帯には、雪の舞う所が多くなるでしょう。

昼頃までは雪が主体

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

昼頃にかけて、さらに降水域は大きく広がり、まだ滞留寒気も強いため、東京都心から北側や西側の地域では雪が主体で降るでしょう。

午後は徐々に雨が交じる

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

午後になると、滞留寒気は徐々に弱まるため、平野部でもみぞれの範囲が増えてくる予想です。午後3時には、まだ都内で雪が主体の計算ですが、この頃にはみぞれや雨が主体に変わっている可能性も高く、予想がかなり難しい時間帯です。

またこの時間までにどれくらいの降雪が生じていたかで、積雪の増減にも影響が出ているかと思います。

帰宅時間はみぞれや雨が主体か

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

夕方から夜にかけての帰宅時間は、東京都心や横浜は冷たい雨が主体、さいたまはみぞれが主体ということで、帰宅時間まで平野部で雪が降り続くような可能性は小さいと思われます。ただ上述した通り、滞留寒気が粘ってしまうと、雪が主体のまま帰宅時間に突入することがないわけではありません。

東京23区でも積雪の可能性

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

今のところ計算されている10日(金)午後3時までの降雪量は上図の通りで、白色が1センチ以上の降雪が見込まれる地域で、東京都心から北側や西側に広がっています。

計算上、東京都心1センチ程度、さいたま2センチ程度、八王子や青梅2センチから3センチ程度、小河内(奥多摩)5センチ程度などとなっており、夕方以降も雪が主体で降り続くほど降雪量は増えるおそれがあります。

これは今現在の最新の見解であって、今後も低気圧のコースや発達具合、滞留寒気の強弱などにより、予想が大きく変わることがありますので、ご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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