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いよいよ師走寒波が襲来へ、上空の気温は20度も急降下、寒さや大雪に注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
(写真:イメージマート)

いよいよ師走寒波が襲来へ

上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)

きょう29日(火)は、全国的に雨の降っている所が多いのですが、強い南風の影響で、気温は高く、むしろ季節外れの暖かさとなっています。特にフェーン現象の起きた日本海側で極めて高く、浜田(島根)26.6度、魚津(富山)25.7度など、夏日となった所もありました。東京都心でも21.3度まで上がっています。

ところが大陸からは今季初の大規模な冬将軍が近づいています。

上図は上空1500メートル付近の気温の予想です。きょう29日(火)午前9時の時点では、平年より高いことを表す赤色が九州から北海道まで広がっていますが、あす30日(水)からあさって12月1日(木)にかけては一転し、平年より低いことを表す青色に埋め尽くされる状況となります。まさに師走寒波の襲来です。

日本海側で9月並みから真冬並みへ、20度前後も急降下

上空1500メートル付近の気温予想(午前9時の予想、筆者作成)
上空1500メートル付近の気温予想(午前9時の予想、筆者作成)

実際、どれ位、気温が下がるのでしょうか。高層観測を行っている日本海側各地の上空1500メートル付近の気温変化を調べてみました。(最新のコンピュータの予想)

すると赤色に埋め尽くされていたきょう29日(火)午前9時の時点では、多くの所で、9月並みの高温となっており、まさに季節外れの暖気の流入です。

ところがあす30日(水)午前9時には、すでに10度以上低下し、あさって12月1日(木)午前9時には、ほとんどの所で真冬並みの寒気に入れ替わる予想で、わずか2日間で、上空の気温は20度前後も急降下する予想です。

一気に寒く

時系列予報(ウェザーマップ)
時系列予報(ウェザーマップ)

上空1500メートル付近の気温は、地上の気温とも密接に関係しており、各地で気温が急降下するでしょう。

札幌は、あす30日(水)午後には0度を下回る氷点下となり、あさって12月1日(木)にかけて氷点下が続くため、今季初の真冬日となるかもしれません。また今季初の積雪となるでしょう。

松江や福岡など、西日本の日本海側でも、あす30日(水)午後には10度を下回り、あさって12月1日(木)は、1日中10度未満で北風も強く、真冬並みの寒さとなりそうです。

東京は、師走寒波の到来が最も遅く、また入り方も弱いため、全国的に見ると、気温の落ち込みは弱い方ですが、それでもあさって12月1日(木)は最高気温が15度には届かず、冬の寒さとなるでしょう。

北日本はや山沿いは大雪注意

雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)
雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)

師走寒波の影響で、急激に寒くなるのはもちろん、北日本や山沿いを中心に、雪にも注意が必要です。

あす30日(水)午後には北日本で次第に雪が降り出し、あさって12月1日(木)から2日(金)にかけて、北日本や山沿いを中心に雪が積もり、大雪となる所もありそうです。

50センチ以上の降雪計算も

予想降雪量(ウェザーマップ)
予想降雪量(ウェザーマップ)

上図はコンピュータによる予想降雪量です。

2日(金)15時までの72時間に、北海道の日本海側や青森県などで50センチ以上が予想され、本州の山沿いでも、標高の高い所を中心に、今季初めて雪が積もる見込みです。

積雪や路面の凍結による交通障害にご注意ください。雪に対する備えが必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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