Yahoo!ニュース

台風20号の北上を太平洋高気圧がブロック

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風20号や熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

台風20号が発生も西進傾向が鮮明に

台風20号の予報円(ウェザーマップ)
台風20号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

きのう14日(金)午後3時、南シナ海で台風19号が発生しましたが、その後西寄りに進み、きょう15日(土)午前9時、ベトナムへ上陸し、熱帯低気圧に変わりました。

続いて、沖縄の南方海上にあった熱帯低気圧がきょう15日(土)午後3時、台風20号となりました。数日前の予想では、この台風20号が台湾周辺を北上し、沖縄の先島諸島に近付くような計算もあったのですが、現在は予報円にある通り、北上センスはなくなり、西寄りに進む計算でそろってきています。

台風20号が沖縄に近付くおそれはほぼなくなりましたが、台風周辺の暖湿気により活発な雨雲が発生するため、先島諸島は週明けにかけて断続的に激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。さらに強風や高波にも警戒が必要です。

太平洋高気圧が北上をブロック

太平洋高気圧と台風20号の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と台風20号の予想(ウェザーマップ)

数日前の予想では、日本の南で強まっている太平洋高気圧が東シナ海で弱まり、その隙をついて、先島諸島付近へ台風20号を北上させる計算も少なからずあったのですが、上図のように沖縄から中国南部にかけて勢力を残す予想でほぼ固まったため、台風20号は西進を続け、南シナ海を進む予想にそろいました。

まさに太平洋高気圧が台風20号の北上をブロックした感じです。

アメリカのGFSモデルの計算

アメリカのGFSモデルに筆者加工あり
アメリカのGFSモデルに筆者加工あり

タイトル画像の雲の様子をみると、台風20号の東側の赤丸内で雲域がまとまってきています。

参考までにアメリカのGFSモデルでは、新たにフィリピンの東海上でまとまる雲域は発達しながら北上し、来週中頃、19日(水)から20日(木)頃にかけて北緯20度付近に到達する予想となっています。しかも台風と思われる勢力に発達する計算です。

この計算は日本や諸外国を含む様々なモデルの中で、最も発達傾向を示しているものであり、あくまでも参考ではありますが、今後沖縄方面では少し気にとめる必要がありそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事