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台風14号はこれから列島縦断へ、関東はあす20日(火)朝に荒天のピークか

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風14号に伴う雲と雨の様子(ウェザーマップ)

台風14号は衰弱しつつも列島縦断へ

台風14号の予報円(ウェザーマップ)
台風14号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風14号は、昨夜18日(日)午後7時頃、中心気圧935hPaの史上最強クラスの勢力で鹿児島市付近に上陸し(速報値)、九州の西側を北上、きょう19日(月・敬老の日)午前6時現在、九州北部を北上しています。

当初の予想よりも陸地側を北上し、九州山地など高い山の影響を受けたと見られ、中心気圧は970hPaと、半日で35hPa程度も上昇していますが、それでも大型で強い勢力を維持している状態です。

今後は日本海沿岸を東進し、あす20日(火)朝にかけて北陸付近を通過したあと、東北から東の海上へ抜けていく見込みです。

台風は今後も勢力を落としながら進みますが、それでも暴風域を伴ったまま東進するとみられ、西日本から東日本にかけては、ほぼ全域が台風の風や雨の強い危険半円に入りますので、引き続き、厳重な警戒が必要です。(全般台風情報

記録的大雨

48時間積算降水量(ウェザーマップ)
48時間積算降水量(ウェザーマップ)

今回の台風14号で、鹿児島県には暴風、波浪、高潮の特別警報、宮崎県には大雨の特別警報が発表されました。また宮崎県と熊本県では線状降水帯が発生しました。

きょう19日(月・敬老の日)午前7時までに降った48時間の降水量は、やはり線状降水帯が発生し、大雨特別警報も出た宮崎県で特に多く、神門860.5ミリ、えびの784.0ミリ、都城653.0ミリなど、記録的な大雨となっています。

その他、九州や四国で400ミリ以上、台風から遠く離れた神奈川県でも200ミリ以上に達しました。

今後、台風が日本海沿岸を東進するため、九州北部、中国、四国ではきょう19日(月・敬老の日)日中にかけて、近畿はあす20日(火)午前中にかけて、東海は今夜からあす20日(火)午前中にかけて線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがありますので、十分な警戒が必要です。

関東はあす20日(火)明け方から朝に荒天ピーク

風と雨の予想(ウェザーマップ)
風と雨の予想(ウェザーマップ)

関東は台風14号が北陸付近を東進するあす20日(火)明け方から朝にかけて荒天がピークとなるでしょう。ちょうど朝の通勤通学の時間帯と重なりそうで、上図のように、西から活発な雨雲が流れ込み、激しい雨が降る他、特に強い南風による交通機関の乱れが予想されるため、時間に余裕を持った行動が必要です。

なお20日(火)に予想される関東の最大瞬間風速は、陸上でも35メートルとなっていて、樹木が倒れたり、看板が落下したりするような風が予想されています。

東京も荒天のおそれ

東京の天気(ウェザーマップ)
東京の天気(ウェザーマップ)

東京も、あす20日(火)明け方から朝にかけて荒天がピークとなり、ちょうど朝の通勤通学の時間帯に大荒れとなるおそれがあります。

東京湾周辺の地域を中心に、南風は平均で最大21メートル、最大瞬間風速は35メートルに達するおそれがあり、これにザーザー降りの雨を伴うため、傘を差すことが危険なほどの状態となるかもしれません。十分な注意、警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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