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週末は少し落ち着くも、来週は再び猛暑と大雨が共存する危険な形へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
10日間予報(気象庁及びウェザーマップ発表)

ダブル台風由来の超暖湿流で記録的大雨

72時間の降水量(ウェザーマップ)
72時間の降水量(ウェザーマップ)

今週はダブル台風(5号、6号)由来の超暖湿流の影響などで、予想以上の記録的な大雨に見舞われました。(関連記事

上図は気象庁のアメダスが観測した72時間積算降水量で、新潟県下関で569.0ミリ、福井県今庄426.5ミリ、石川県白山河内398.0ミリ、山形県高峰311.0ミリなど、多くの所で観測史上1位の豪雨となりました。

また解析雨量では、新潟県胎内市、村上市、関川村、山形県小国町などで、600ミリ以上を記録し、これらの地域では、気象庁の予想の2倍から3倍以上というまさに予想を逸脱するような豪雨に見舞われました。

気象庁からは今回の一連の大雨で、記録的短時間大雨情報が、北海道、青森、秋田、山形、福島、新潟、石川、福井、滋賀、島根に出され、このうち、新潟には16回、福井には7回、山形と石川には6回出されるなど、のべ43回も出される、いわば異常な大雨となりました。

週末も局地的大雨に警戒

降水域と太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)
降水域と太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

大雨を降らせてた前線はすでに日本の南へ南下し、一連の大雨は峠を越えました。ただ湿った空気の残っている東日本や西日本では、局地的な雨雲が発生しやすく、激しい雷雨となる所もありそうですから、引き続き、警戒が必要です。

一方、今週中頃まで40度近い猛暑をもたらした太平洋高気圧は弱まっており、あす6日(土)も本州付近では衰弱したままですが、あさって7日(日)以降は、徐々に勢力を盛り返す予想です。

来週は猛暑と大雨の共存型へ

降水域と太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)
降水域と太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

週明け9日(火)になると、関東以西はすっぽりと太平洋高気圧に覆われ、再び厳しい暑さ、猛烈な暑さが復活していることになるでしょう。

そして要注意なのが、北から南下してくる前線です。この前線に伴う東西に連なる活発な雨雲が日本海を南下し、次第に北日本にかかってくるでしょう。南からは非常に湿った空気も流れこむため、再び北日本では大雨となるおそれがあります。

南から強まる太平洋高気圧が北から南下してきた雨雲をブロックしてしまうと、活発な雨雲が長く停滞するような感じとなるため、北日本では長丁場の大雨となることも考えられます。

今回の大雨で特別警報の出された新潟や山形では、大きな災害の発生した所もあり、来週の雨雲の南下具合、停滞具合が非常に心配されるところです。

北日本では大雨の一方、関東内陸などは40度も?

10日間予報(気象庁及びウェザーマップ発表)
10日間予報(気象庁及びウェザーマップ発表)

10日間予報をみると、週末は極端な猛暑や大雨は、比較的、落ち着いた状態ですが、週明けの8日(月)からは青森や秋田にずらりと傘マークが並んでいます。特に9日(火)から10日(水)頃のタイミングで、大雨となるおそれがあります。

山形や新潟では傘マークこそ少ないものの、前線の南下の度合いによっては、もっと傘マークが増え、雨予報に傾くかもしれません。

一方、東京は週明けから35度以上の猛暑日が続く予想で、今年の猛暑日日数はすでに過去最多と並ぶ13日となっているため、予想どおりならば、過去の記録を大幅に塗り替える可能性もあります。

関東の内陸などは再び体温を大きく上回る猛暑となり、40度程度まで上がる計算も出されています。

来週は勢力を盛り返す太平洋高気圧による猛暑、北から南下する前線に伴う大雨が長丁場で同居するおそれがあるため、今後の情報に注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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