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熱帯低気圧が発生し関東や東海の南へ北上する予想、最新情報に十分注意を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

熱帯低気圧が発生し北上へ

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像をみると、日本の南海上からフィリピンの東海上にかけて、至る所で雲頂高度の高い真っ白な積乱雲がわきたっており、このうち北側の雲域内で間もなく熱帯低気圧が発生し、北上する見込みです。

気象庁発表の実況天気図では、きょう23日(土)正午現在、低圧部という解析になっており、これは周囲より気圧が低く、低気圧性の循環はあるものの、その中心付近がハッキリとしない状況を表しています。

そして気象庁によると、間もなく、中心付近がハッキリと推定されるようになり、熱帯低気圧へと変わる見込みです。この熱帯低気圧はあす24日(日)からあさって25日(月)にかけて、日本の南を北上し、関東や東海沖に進んでくる見込みです。

今のところ、台風へ変わるような予想はありませんが、熱帯低気圧でも過去には何度も大雨被害をもたらしているため、侮れません。

熱帯低気圧周辺の暖湿気が関東や東海へ

暖湿流の予想(ウェザーマップ)
暖湿流の予想(ウェザーマップ)

非常に激しい雨をもたらすような暖湿流の予想をみると、熱帯低気圧に伴う丸みを帯びた暖湿流の塊があす24日(日)にかけて小笠原諸島(父島)の西海上を北上し、あさって25日(月)午前9時には、北緯30度付近の関東や東海の南海上まで北上してくる予想です。

その後は、熱帯低気圧としての循環が弱まり、不明瞭となる可能性がありますが、暖湿流がなくなるわけではなく、26日(火)にかけて関東や東海に到達する予想です。

この影響で、26日(火)から27日(水)頃は、関東や東海で雨雲が発生、発達しやすい環境場となり、上昇流が強まるなど、気象条件が悪化した場合には、山沿いを中心に大雨となってもおかしくない状況となりそうです。

天気図上からは、たとえ熱帯低気圧が消滅したとしても、大雨をもたらす暖湿気が消滅することはありませんので、十分な注意を要します。

関東から東海で雨予報に

気象庁予報をウェザーマップが発表
気象庁予報をウェザーマップが発表

熱帯低気圧の北上を反映して、関東から東海では26日(火)から27日(水)にかけて、次第に雨寄りの予報に変わってきています。

山沿いを中心に激しく降るおそれがありますし、熱帯低気圧の勢力次第では、海上の波が高まる状況も考えられます。夏休みに入りましたので、山や川へのキャンプ、あるいは海水浴などへ行かれる方も多いかもしれません。

今後の最新情報に十分ご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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