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ダブル高気圧の勢力拡大予想で、見えた沖縄の梅雨明け

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
沖縄の夏空(写真:イメージマート)

週明けにも沖縄で梅雨明けか

那覇の16日間予報(ウェザーマップ)
那覇の16日間予報(ウェザーマップ)

きょう15日(水)は東北地方で梅雨入りの発表があり、これで東北から九州まで全ての地域で梅雨入りしたことになります。(速報値)

その一方で、沖縄の梅雨明けが見えてきました。

ウェザーマップ発表の16日間予報によると、週末にかけてはまだ梅雨前線の影響で雨が降りやすく、大雨にも警戒が必要ですが、来週早々には晴れ間が広がり、その後は安定した夏空が続く見込みです。

このため、週明けの20日(月)から21日(火)頃には梅雨明けの発表となる可能性が高いものと思われます。この沖縄の梅雨明けをもたらすものは、明瞭に強まる予想のダブル高気圧の存在があります。

ダブル高気圧はまだ沖縄の手前

ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)
ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)

日本付近にギラギラとした夏の暑い晴天をもたらすものは、主に太平洋高気圧とチベット高気圧のダブル高気圧となります。

まず一つ目は、主に南海上から勢力を強めてくる上空5000メートル付近で明瞭な太平洋高気圧で、二つ目は、チベット高原周辺を中心に勢力を強め、上空10000メートル付近で明瞭なチベット高気圧で、これらが手をつなぐように発達する場所では、安定した夏空が続くことが多くなります。

今現在は、太平洋高気圧が沖縄の一歩手前、またチベット高気圧も沖縄の南海上に張り出している状態で、この北側の沖縄付近に梅雨前線が位置している格好です。

週明けには勢力拡大へ

ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)
ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)

週明けになると、太平洋高気圧は沖縄付近をすっぽりと包み込むように勢力を拡大し、さらにチベット高気圧も大陸から沖縄付近へ勢力を拡大する見込みで、こうなると梅雨前線も九州付近へ北上することになります。

上図は22日(水)の予想ですが、この先も強弱はあれど、しばらく沖縄ではダブル高気圧に覆われ、夏空が続く可能性が高いことから、週明けには梅雨明けに結び付く可能性が高いのではないかと思われます。

なお、沖縄の梅雨明けの平年日は6月21日頃ですから、もし週明けに梅雨明けの発表があれば、ほぼ平年並みでの夏空の開幕ということになります。

奄美も夏空到来か?

16日間予報、赤字は予想最高気温と予想幅、アルファベットは信頼度でAが高くEが低い(ウェザーマップ)
16日間予報、赤字は予想最高気温と予想幅、アルファベットは信頼度でAが高くEが低い(ウェザーマップ)

ウェザーマップが発表した16日間予報をみると、那覇や石垣島では週明けから安定した夏空が広がり、信頼度もAの日が多く、最高気温も31度から33度くらいで、厳しい暑さが続く見込みです。

また奄美地方の名瀬でも、来週は晴れる日が多くなり、30度以上の真夏日が続きますので、沖縄に次いで梅雨明けの発表があるかもしれません。奄美地方の梅雨明け平年日は6月29日頃ですから、もし来週半ばにも梅雨明けの発表があれば、平年より一週間程度早い夏空の開幕となります。

一方、梅雨前線の停滞しやすくなる鹿児島は断続的に雨が降る見込みで、本州付近の梅雨空は本格化するかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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