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関東はまさに”梅雨寒”?でも梅雨前線の北上は6月下旬以降?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
関東の気温の様子(ウェザーマップ)

梅雨前線は一時的に北上中

実況天気図と予想天気図(ウェザーマップ)
実況天気図と予想天気図(ウェザーマップ)

上図左はきょう6日(月)午前6時の実況天気図です。前線を伴った低気圧が西日本の南岸を進んでおり、これから今夜にかけて関東南岸を通過するため、東日本ではまとまった雨となるでしょう。低気圧からのびている前線は一時的に北上した梅雨前線ととらえることが出来ます。

冷たい北東の風の吹く関東から東北の太平洋側では日中にかけてほとんど気温が上がらず、場所によっては15度には届かずに、3月下旬並みの肌寒さとなる所もありそうです。もし梅雨に入っていたならば、まさに典型的な”梅雨寒”という状況です。

そして上図右、あす7日(火)午後9時の予想天気図をみると、低気圧は日本の東海上へ抜け、梅雨前線は再び沖縄付近まで大きく南下する見通しです。この先も来週にかけて、梅雨前線が北上しても一過性となりそうで、本州付近での梅雨前線に伴う梅雨空が続くのはまだかなり先になる見通しです。

一方、関東に関していえば、北から張り出してくる高気圧の影響などで、この先、晴れ間があっても一時的で、基本的には曇雨天の天気が続きますので、梅雨前線が離れていても梅雨を感じる天気が続きそうです。

梅雨前線は北上せず

地上気圧の平年差(ウェザーマップ)
地上気圧の平年差(ウェザーマップ)

上図は、地上気圧における平年との差(5日移動平均)を表したもので、大まかには、青色が濃いほど平年より気圧が低い=雨が降りやすい、黄色が濃いほど平年より気圧が高い=雨が少ない、という関係になります。

先週の3日(金)を中心とした実況では、北のオホーツク海高気圧が明瞭で、太平洋高気圧が日本の南で弱いため、梅雨前線も南に押し下げられている状況です。ただこのような時は梅雨前線の大雨は少ないものの、北からの寒気の影響で、不安定な天気になりやすく、関東甲信から東北にかけて、雷雲が発達し、あちらこちらでひょうの被害もありました。

あさって8日(水)を中心とした予想では、やはり梅雨前線に伴う気圧の低い部分は日本の南が中心で、北のオホーツク海高気圧が明瞭なため、全国的には梅雨の気配は小さいものの、湿った北東の風が吹き込む関東から東北の太平洋側では、曇雨天のスッキリしない天気が続くでしょう。

来週も梅雨前線の活動は弱い?

地上気圧の平年差(ウェザーマップ)
地上気圧の平年差(ウェザーマップ)

来週14日(火)と18日(土)を中心とした予想をみると、北で明瞭だったオホーツク海高気圧は弱まり、南の太平洋高気圧は一旦強まりますが、来週の週末にかけて、再び勢力が弱まる計算となっています。

本州付近には平年より気圧が高いことを表す黄色が広がっていますので、この予想からは、本州付近、あるいは日本の南海上での梅雨前線の活動は特に強くはないと予想されます。(5日移動平均なので、一時的には強まる可能性はあります。)

これらの予想をみると、梅雨入りの発表があってもなくても、少なくとも来週いっぱいは、本州付近で梅雨前線による雨が降り続くようなことは考えづらく、思い切って梅雨入りの発表をしないまま時期が過ぎていくと、6月中旬はもちろん、6月下旬までずるずると遅れてしまう可能性もあるようです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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