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一週間後に再び気温が急激上昇へ、真夏日続出か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
都心の暑さ(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

4月前半とは思えない暑さ

日最高気温とその平年差(気象庁発表に筆者加工あり)
日最高気温とその平年差(気象庁発表に筆者加工あり)

今週後半は台風1号の北上や北からの寒気の影響で、冬に戻ったような寒さとなりましたが、今週前半はまさに夏がやってきたような暑さが続きました。

暑さがピークとなった4月11日(月)と12日(火)の最高気温の状況を表したものが上図ですが、広くオレンジ色の25度以上の夏日となり、平年差は広く赤色の6度以上で、見るからに日本列島は北から南まで季節外れの暑さに見舞われたことが分かります。

ちなみに30度以上の真夏日が観測された地点は以下の通りです。

岩手県宮古 31.0度

岩手県山田 30.9度

岐阜県神岡 30.5度

愛知県豊田 30.4度

岩手県釜石 30.3度

岩手県小本 30.2度

岩手県久慈 30.0度

岩手県岩泉 30.0度

大阪府枚方 30.0度

岩手県で真夏日が続出しているのは、上空の暖気に加え、西寄りの風が山越えのフェーン現象を起こしたことが影響しています。

そしてこの暑さが一週間後に再びやってきます。しかももう一段パワーアップし、真夏日の続出はもちろん、30度を大きく上回るような厳しい暑さの所が出現するかもしれません。

一週間後に再び気温が急激上昇へ

上空1500メートル付近の気温、5日平均図(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温、5日平均図(ウェザーマップ)

上図は上空1500メートル付近の気温とその平年差の5日間平均を表したものです。

左図はちょうど今週前半、季節外れの暑さに見舞われた期間の5日間平均の実況値で、日本付近は平年より6度以上高い茶色に覆われており、その中心は北日本方面で、特に岩手県など東北地方で暑さが顕著になったことと密接に関係しています。

そして次に季節外れの暖気に覆われるタイミングがちょうど一週間後の来週の週末頃となりそうで、同じように6度以上高い茶色の範囲が本州の真ん中あたりを中心に広がっています。

ここで真夏日が続出するような12度以上の暖気に注目すると、今週前半は主に西日本の一部だけにかかっていたのに対し、来週末の予想では、西日本から東日本まですっぽりと包み込み、九州付近にはさらに高い15度以上の暖気が流れ込む予想です。

もし日差しがたっぷりと降り注ぐような晴天となれば、今週前半を上回るような暑さの範囲が広がる可能性があり、さらに山越えのフェーン現象が加わるような地域では30度を大きく上回る暑さとなる可能性もあるかと思われます。

再び夏の暑さがやってくる

最高気温の予想(ウェザーマップ)
最高気温の予想(ウェザーマップ)

ウェザーマップが発表した10日間の予想最高気温をみると、上空に流れ込む暖気に合わせるように来週の週末は各地で25度以上の夏日が予想され、福島、熊谷、甲府、日田など内陸では30度に迫る暑さが予想されています。

しかもこれは種々計算されている予想の真ん中あたりの数値が出されていますので、もし高い方にぶれた場合は、これよりも軽く2~3度の上乗せがあってもおかしくない予想です。

4月は日差しが強まり、日に日に気温が上昇する季節で、GW間近になれば、30度以上の真夏日も珍しくない季節と言えますが、場所によっては30度を大きく超えるような厳しい暑さに見舞われる可能性もありますので、熱中症などに注意が必要です。

なお気象庁からも、来週後半は気温が平年よりかなり高くなる可能性があるとして、早期天候情報で高温に注意するよう呼びかけられています。ここでかなり高いというのは、この期間で10年に1度程度の暑さを示しており、気象条件によってはこの時期として記録的な暑さとなるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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