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桜開花の東京に再び強烈な寒の戻りが襲来か 桜に雪の可能性も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
桜に雪(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

連休明けに南岸低気圧が通過へ

雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)
雨や雪、風の予想(ウェザーマップ)

きょう20日(日)は東京でも桜の開花が発表されました。

そんな東京を含めた関東地方にあさって22日(火)は強烈な寒の戻りが襲来し、冷たい雨で厳寒なうえ、内陸を中心にみぞれや雪となる可能性も出ています。

その冷たい雨をもたらすのは南の海上にある低気圧で、冬季の太平洋側に雪をもたらす、いわゆる南岸低気圧です。西日本の南海上に低気圧の主体がありますが、これとは別に伊豆諸島付近にも別の低気圧(シア―ライン)が顕在化し、この降水域が関東地方に大きく広がる予想です。

今回、西日本ではおおむね雨となりそうですが、関東甲信の山沿いでは雪となる所が多く、最下層寒気の流れ込む関東平野でも、内陸を中心に、みぞれや雪となる可能性がある計算となっています。

関東平野に最下層寒気が流入か

上空500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)
上空500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)

関東平野で冷たい雨に雪が交じり始めるサインとしては、最下層と呼ばれる上空500メートル付近で0度以下の寒気が重要になります。

この0度線がかかり始めると、地上の気温はおおむね2度から3度くらいになるため、雪が交じる低温となり、0度を下回れば下回るほど地上の気温も下がるため、みぞれから雪へ変わり、降水がしっかりとすれば、積もるような雪となることも多いものです。

最新の予想をみてみると、22日(火)午前6時には、この最下層の0度線はまだ関東北部が中心ですが、その後、低気圧に引っ張られるようにくさび状に流れ込み、正午の時点では、都内付近まで流れ込んでくる計算です。

ただこの最下層寒気の予想は大変難しく、わずか1度の違いでも雨や雪の全く違う現象になるため、まさに困難を極めるのですが、今のところ、計算上で、都内でも雪が交じってもおかしくないような状況となってきています。

22日(火)朝から降り出す

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

最新の予想では、あさって22日(火)明け方から朝にかけて、関東南部でも次第に降水域がかかり始め、山沿いでは、弱いながらみぞれや雪となる所も多い予想です。

都内でも標高が500メートル以上ある奥多摩などでは弱い雪、さらに多摩地方でも雨に白いものが交じる所があるかもしれません。

日中にかけて冷たい雨や雪に

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

さらに22日(火)日中にかけて関東北部へも大きく降水域が広がるでしょう。

最下層寒気で0度線が流れ込む多摩地方から埼玉、栃木にかけて、山沿いでは雪、平野部でも雨に雪が交じる可能性があり、0度線の南下やさらにこの最下層寒気が強まる場合などは、一段とみぞれや雪の範囲が広がる可能性があります。(最下層寒気が弱まれば逆になるので、難しいところです。)

桜開花の東京でも雪が交じる可能性

東京の予報(ウェザーマップ)
東京の予報(ウェザーマップ)

現在発表されている東京都心の予報をみると、22日(火)に日付が変わる頃にはまだ10度近くありますが、ここからみるみる気温が下がり、昼頃にかけては5度前後、さらに夕方には3度以下まで下がる予想です。

まさに厳寒となったおととい18日(金)と似ていますが、今回の方が最下層寒気が強い予想です。

今のところ、この3度以下まで下がるタイミングの夕方から夜にかけて、雪が交じる予想となっていますが、これも上述している最下層寒気や降水の強弱などにより変化するため、なかなか難しいところです。

仮に今予想されている最下層寒気があと1度でも下がれば、東京都心でも日中から雪が交じるような可能性があり、仮に雪が交じることがないにしても、冷雨で厳寒、あるいは極寒となる可能性は高いと思われますので、強烈な寒の戻りの襲来にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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