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西回りの寒気到来 でも関東には到達せず?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
予想天気図(ウェザーマップ)

太平洋側を中心に激しい雨をもたらしている活発な前線は、あす10日(水)には日本の東へ抜けて、西からはこの時期としては冷たい空気、寒気が流れ込んでくるでしょう。

このため寒気の影響を受けやすい西日本では気温が下がり、晩秋らしい肌寒さとなりますが、西回りで流れ込んでくる寒気は南西から北東方向へ上滑りすることが多く、なかなか関東まで到達しないことがよくあります。

今回も然りで、西日本で晩秋の気配が色濃くなるのとは対照的に、関東ではもうしばらく気温が高めで、日中は20度以上の暖かな秋が続く見込みです。

西回り寒気は関東へはなかなか流れ込まず

上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)

上図は上空1500メートル付近の気温の予想です。

青色部は平年より低い所を表しており、あす10日(水)以降、西日本はこの青色部に覆われ、上空の気温は平年より5度前後も低くなるため、朝晩は冷え込みが一気に強まり、日中は晴れても肌寒くなるでしょう。

一方、関東に注目すると、12日(金)頃までは青色部が関東ギリギリのところでストップしており、寒気が流れ込むのは週末の13日(土)頃までずれ込む予想です。

これはこの西回りで流れ込む寒気にはよくある傾向で、寒気は西日本へ南下後、北東方向へスライドするように移動することや関東の西側には高い山があるため、これにもブロックされるようにしてなかなか寒気が到達しなくなるのです。

西日本では師走並みの所も、東京はまだまだ20度超

週間予報(気象庁データをウェザーマップが作成)
週間予報(気象庁データをウェザーマップが作成)

週間予報で最高気温をチェックすると、福岡や大阪は、あす10日(水)の最高気温が15度程度で、冷たい雨も降るため、晩秋というよりは初冬になったような寒さを感じる方もいることでしょう。

名古屋も日差しがあっても17度位ですから、厚手の上着があってもいい位です。

一方、東京は12日(金)にかけて、20度以上の暖かさが続くため、日中は非常に過ごしやすいポカポカ陽気に恵まれそうです。その東京に寒気が入る週末は少し気温が下がりますが、それでも20度近くまでは上がり、来週の15日(月)は再び20度超が予想されています。

関東での季節の進みは全国的に見ても、ワンテンポ遅れることになりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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