Yahoo!ニュース

熊本県に線状の雨雲が発生 土砂災害や洪水などに厳重な警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雨雲の様子(ウェザーマップ)

未明から東西に連なる活発な雨雲が発生中

梅雨前線の影響で、きょう17日(月)未明から熊本県内で東西に連なる活発な雨雲が発生しており、局地的ですが、集中的な大雨に見舞われています。

熊本県山都(やまと)では、午前6時01分までの1時間に90.5ミリの猛烈な雨を観測し、午前7時までの3時間に202.5ミリの観測史上最大の大雨となっています。

また熊本県甲佐でも午前6時40分までの3時間に144.5ミリの雨を観測し、5月の1位の記録を更新しました。

この大雨の影響により、熊本県内で土砂災害や洪水の危険度がかなり高くなっている所があります。

土砂災害の危険度が極めて危険の所も

土砂災害の危険度分布・キキクル(ウェザーマップ)
土砂災害の危険度分布・キキクル(ウェザーマップ)

3時間に200ミリ以上の集中的な大雨を観測している山都町付近では、気象庁が発表している土砂災害の危険度(キキクル)表示で、最も危険度が高い濃い紫色(極めて危険)となっている所があり、これは過去の重大な災害発時に匹敵するかなり危険な状況で、すでに土砂災害が発生していてもおかしくない状況となっています。

すでに外への避難が困難な状況となっている場合は屋内にとどまり、山や崖から離れたなるべく高い所、2階などで過ごすようにして下さい。

洪水の危険度もかなり上昇

洪水の危険度分布・キキクル(ウェザーマップ)
洪水の危険度分布・キキクル(ウェザーマップ)

さらに山都町付近では洪水の危険度もかなり上昇しています。

非常に危険度が高い薄紫色が多く出現しており、中小河川がかなり増水し、場所によってはあふれていることも考えられる状態です。

やはりすでに避難が困難となっている場合は、なるべく高い所、2階などで過ごすようにして下さい。

さらに赤くなっている河川は熊本県の緑川水系です。

緑川水系には氾濫警戒情報も

洪水危険度分布、気象庁とウェザーマップの情報を加工
洪水危険度分布、気象庁とウェザーマップの情報を加工

緑川(みどりかわ)は、熊本県中部を流れ、島原湾に注ぐ緑川水系の本流で、一級河川ですが、この緑川水系にきょう午前7時10分、氾濫警戒情報が出され、今後、氾濫危険水位に到達すると予想されています。

きょう午前8時30分現在、雨はやや弱まってはいますが、山側でもまだ降り続いている状態で、さらなる増水が見込まれていますので、なるべく安全な場所、高い所に避難するようになさって下さい。

*午前9時10分追記

氾濫危険水位に到達することが予想されていた緑川水系ですが、午前9時に氾濫警戒情報は解除され、今後水位は下降する予想となりました。ただ今後も洪水に関する情報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事