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新たな台風(13号)が発生する予想、日本の東を北上か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

熱帯低気圧が発生

9月26日15時の実況天気図(気象庁発表資料に筆者加工あり)
9月26日15時の実況天気図(気象庁発表資料に筆者加工あり)

タイトル画像にある通り、日本のはるか南東の海上で、雲が大きくまとまりを見せており、気象庁の解析によると、きょう26日(土)15時に熱帯低気圧が発生しました。(天気図中のTDマーク)

台風(13号)が発生し、日本の東を離れて北上か

熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)
熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)

最新の熱帯低気圧や台風情報(気象庁発表)

気象庁が発表した予報円によると、この熱帯低気圧は今後24時間以内に新たな台風へと発達する見込みで、この熱帯低気圧以外、すぐにでも発達しそうな熱帯擾乱(ねったいじょうらん)は解析されていないため、発生すれば台風13号ということになるでしょう。

台風13号の発生後は、しばらく北西方向へ進み、その後あさって28日(月)から29日(火)にかけては北寄りに進みそうで、このあたりで最盛期を迎え、暴風域を伴う強い勢力となる見込みです。

29日(火)15時には、中心気圧975hPa、最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートルが予想されています。

ただこの時点でも日本の東、約1000キロ以上離れたところにあり、その後は北東方向へ進み、30日(水)15時には北日本のはるか東海上で温帯低気圧に変わる見込みで、もし予報円の最も西より、日本に近い側を北上したとしても、東経150度線に沿うような形での北上ですから、今のところ、本州付近へ近づくおそれはほとんどないとみていいでしょう。

ただ強い勢力になりますので、太平洋側には台風からのうねりが届くと思われ、海上や沿岸は高波に注意が必要かと思われます。

過去6番目に遅い台風13号の発生か

台風13号の遅い発生記録(筆者作成)
台風13号の遅い発生記録(筆者作成)

今年は7月までに2個の台風しか発生せず、8月以降は比較的多くの台風が発生していますが、それでも9月の下旬にしてはかなり発生数が少なくなっています。

統計のある1951年以降で、台風13号が発生した遅い記録を調べてみると、上図のようになっており、もし今ある熱帯低気圧が今後24時間以内(9月27日まで)に台風へ発達すると仮定すれば、過去6番目に遅い台風13号の発生となります。

今年を含めて過去70年間で6番目に遅い発生ですから、やはり新たな台風が発生したとしても、現時点では台風の発生数はかなり少ないということが言えます。

なお、平年だと、ちょうど今頃は台風18号、あるいは19号が発生している時期でもあります。

またもし、気象庁の予報円通り、新たに発生する台風13号が日本の東を北上し、上陸しなければ、おそらく9月いっぱいで上陸台風が一つもない状態となり、これは2009年以来、11年ぶりのこととなります。

参考:デジタル台風

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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