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今季最強寒気で、史上最も遅い初雪や初氷の便りが続々と

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(6日正午、ウェザーマップ)

今季最強の寒気が南下

上空の寒気(ウェザーマップ)
上空の寒気(ウェザーマップ)

今季最強の寒気が南下中です。

きょう午前9時の観測で、上空1500メートル付近の寒気の強さは、札幌-18.7℃(平年差-5.3℃)、秋田-17.1℃(平年差-7.0℃)、石川県輪島-15.1℃(平年差-7.7℃)、茨城県館野-11.3℃(平年差-7.1℃)などとなっています。

茨城県館野に関して言えば、-13℃程度が予想されていましたので、予想よりは若干、高めではありますが、-10℃以下まで下がったのはこの冬初めてですから、紛れもなく今季最強の寒気の南下だと言えるでしょう。

タイトル画像をみても、この強い寒気の影響で、日本海側にはびっしりと雪雲が流れ込んでおり、広くまとまった雪(大雪)となっています。

北海道で-30℃以下、東京も初氷

きょう午前6時の気温(ウェザーマップ)
きょう午前6時の気温(ウェザーマップ)

寒気の影響で、けさは全国の広範囲(924地点中676地点)で0℃未満の氷点下となりました。

なかでも北海道は強烈な冷え込みとなり、江丹別で-31.6℃、朱鞠内で-31.2℃を記録し、この冬全国で初めての-30℃以下となりました。

また1.4℃まで下がった東京都心では午前8時頃に結氷し、初氷を観測しました。

東京都心の初氷は平年より51日も遅く、昨シーズンと比べて37日も遅い、統計史上最も遅い記録となりました。ちなみに過去最も遅い初氷の記録は4年前の1月13日でしたらか大幅に更新したこととなります。

この他、神戸でも統計史上最も遅い初氷を観測しました。

これでまだ初氷の便りが届いていないのは、徳島と下関の2地点となりました。(南西諸島を除く)

西日本でも初雪ちらつく

きょう午前9時の天気(ウェザーマップ)
きょう午前9時の天気(ウェザーマップ)
初雪と初氷(筆者作成)
初雪と初氷(筆者作成)

さらに寒気の影響で、昨夜遅くからきょう午前中にかけて、神戸、和歌山、広島、下関、高松、徳島から初雪の便りが届きました。

いずれも平年よりは50日前後も遅く、和歌山、広島、下関では統計史上最も遅い初雪となりました。

ただ今回の寒気でも初雪が降らなかった地点がまだ多数あります。

それは銚子、岐阜、静岡、名古屋、奈良、高知、福岡、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の12地点で、今回の寒気でも初雪が空振りに終わってしまったため、これらの地点の中から、初雪が観測されずに今シーズンが終わってしまう地点がかなり出るかもしれません。(南西諸島を除く)

というのも週明けまでは寒気の影響を受けやすく、比較的寒さが厳しいのですが、来週中頃からは再び高温傾向が顕著となり、一気に春へ向かって突き進む可能性があるからです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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