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来週は一気に春本番。関東以西は花粉の本格飛散に要注意。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
スギ花粉の飛散(ペイレスイメージズ/アフロ)

今週は寒かった

5日間の平均気温(気象庁発表)
5日間の平均気温(気象庁発表)

昨日は関東南部で予想外の雪が降るなど、東京都心ではこの1週間のうち4日も降雪を観測しました。(2月9日、10日、11日、15日)

当然のことながら気温もあまり上がっておらず、昨日までの5日間の平均気温をみても、北日本を中心に西日本まで低温傾向が鮮明となっています。

暖かかったのは沖縄だけといった感じですが、来週はこの沖縄付近の暖気が一気に本州付近へと北上する見込みです。

上空の気温は急上昇!

上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)

地上の気温と密接な関係のある上空1500メートル付近の気温予想をご覧下さい。

日曜日はまだしつこく寒気が残った状態ですが、月曜日にはほぼ寒気が抜け、その後、火曜日から水曜日にかけて、平年より高いことを示す赤色に包まれる予想です。特に水曜日は関東など東日本で、平年より10℃以上も高い季節外れの暖気が予想されています。

ここまで上空の気温が顕著に上がるのは、南から暖かく湿った空気(雨粒の元)が勢いよく流れ込んでくるためで、広く雨となりそうなのですが、雨のあとも特に強い寒気は流れ込んで来ない予想です。

ですから雨上がりの晴天時は特に気温が上昇するでしょう。

地上の気温もジャンプアップ!

10日間予報、赤数字は最高気温(ウェザーマップ発表)
10日間予報、赤数字は最高気温(ウェザーマップ発表)

来週は季節が一気に前進し、関東~九州にかけて春本番の暖かさの日が多くなるでしょう。各地とも15℃を大きく上回る予想で、東京でも水曜日は雨が止んだ後20℃近くまで上がる予想です。その後金曜日から土曜日の雨でやや下がるものの、晴れれば再び15℃前後まで上がる予想です。

いよいよ都内の花粉も本格化へ

千代田区の花粉数と最高気温(東京都福祉保健局のデータを元に筆者作成)
千代田区の花粉数と最高気温(東京都福祉保健局のデータを元に筆者作成)

上図は昨年の東京都千代田区の花粉データをグラフ化したものです。

2月20日に12.4℃まで上がり、やや多くの花粉が飛び始め、24日に14.4℃まで上がったのをきっかけに、非常に多い~猛烈な飛散へと一気に本格化しました。このように2月も後半になれば、15℃前後の気温上昇により、花粉の季節が一気に本格化することが珍しくありません。

現在、九州や四国を中心に、東海以西ではすでに多くの花粉が飛び始めている所もあり、都内でも一部では花粉が飛び始めました

来週は気温の上昇とともにさらに花粉が急増し、都内でも一気に本格化する可能性が十分に考えられます。

今春の都内の飛散量は例年の1.2倍程度の予測です。

花粉の飛散が特に多くなるのは、雨上がりの晴天で気温が上がる時、あるいは気温が低めでも晴れて風が強い時など。また気温の上がる午後にかけて多く飛ぶことが多いものですが、風が強ければ夜間でも大量に飛散することがあります。

花粉症の方は十分にご注意下さい。

リアルタイムでの花粉飛散状況は環境省花粉観測システム(はなこさん)などが参考になりますので、ご覧になって下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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