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東京都心はクリスマスイブから12日間全く降水なし。記録に迫る可能性も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
火の用心(GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

東京都心はクリスマスイブから無降水

過去10日間の降水(気象庁)
過去10日間の降水(気象庁)

上図は気象庁が発表している過去10日間(12月25日~1月3日)の降水量と平年比を表したものです。

この期間は年末寒波などの影響で日本海側で降水量がかなり多くなっているのに対し、太平洋側ではとても少なく、まさに西高東低の冬型が続いたことを象徴したものとなっています。

ただ太平洋側で降水量がとても少ないと言っても、弱い雪や雨の観測している所は多く、岐阜、名古屋、大阪、神戸、岡山、松山、徳島、高知などで初雪を観測し、名古屋では5センチの積雪を観測しました。

一方、気象官署で全く降水を観測していないのは、東京都心、横浜、熊谷などの関東南部の平野部や甲府など、ごく一部だけとなっています。

東京都心に限ると、最後に降水が観測されたのが昨年12月23日の夕方で、12月24日のクリスマスイブからきょう1月4日まで12日間連続で全く降水を観測していません。(きょうは午後4時現在)

このため、乾燥注意報も昨年末から出っぱなしの状態です。

東京都心の統計開始以来、全く降水が無かった最長の記録は23日間です

この記録まではまだ10日以上ありますが、降る可能性のあった6日(日)に空振りで終わると、来週はまたしばらく冬型の気圧配置が続くため、記録に迫る可能性が出てくるかもしれません。

火災も多発していますので、とにかく火の取り扱いには注意が必要です。

6日(日)のお湿りは空振りか?

6日(日)の天気図や降水予想(ウェザーマップ)
6日(日)の天気図や降水予想(ウェザーマップ)

6日(日)に日本の南を通る低気圧、いわゆる南岸低気圧の影響で、関東平野でも降水があるのではないかと思われました。

上空に寒気もあるため、降雪の可能性もありましたが、この南岸低気圧の予想が日に日に南を通る計算に変わってきています。

俗にいう「お辞儀型の南岸低気圧」で、こうなると降水域は南の海上を通過してしまうため、関東など陸地の上ではほとんど降水現象が発生しません。

ですから、関東平野などのカラカラな状態は解消することなく続いてしまうかもしれません。

ただまとまった降水ではなく、ほんのぱらつく程度の降水(0.0ミリ)でも観測すれば上記の無降水記録は途切れるので、その可能性はまだあると思われます。

もし、ぱらつく降水もないまま終わってしまうと、来週はまた関東平野で降水の起こりにくい冬型の気圧配置の日が多くなるため、無降水状態がしばらく続いてしまう可能性があります。

ちなみに東京都心で過去の無降水最長記録に並ぶとすれば、再来週、3連休明けの1月15日(火)となります。

ウェザーマップの10日間予報では、この頃まで晴れが続く予想です。

皆さま、火の用心です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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