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台風13号発生、再び迷走しつつ日本付近へ接近する恐れも

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風12号と台風13号の雲(ウェザーマップ)

台風13号発生。来週にかけてどこへ行く?

台風13号進路予想(ウェザーマップ)
台風13号進路予想(ウェザーマップ)

最新の台風予報円(気象庁)

日本付近を初めて西進し、その後迷走するなど異例のコースをたどった台風12号は中国大陸へ上陸し、間もなくその生涯を閉じようとしています。

一方、きょう午前9時、日本のはるか南東海上で 台風13号が発生しました。

平均すると今の時期の台風発生数は8個程度なので、かなり早いペースで台風の発生が続いていると言えるでしょう。

そして問題は台風13号の進路です。

先日の台風12号は日本付近で極めて異例の進路を取りましたが、今回の台風13号も一筋縄ではいかない感じです。

気象庁の予想では、今後発達しながら北上し、週明けの月曜日には強い勢力で小笠原の東の海上へ進む予想。

その後も予報円の真ん中を通れば来週の水曜日に関東の東海上へ到達する予想です。ただこの時点での予報円の直径は1900キロにも及んでおり、台風の進路予想が非常に難しくなっていることを物語っています。

ちなみにこの予報円の中に台風の中心が入る確率が約70%なので、この予報円の円外に進む可能性も考えられます。

このように来週の後半にかけての進路予想は非常に不確実なのですが、もし西寄りのコースを取れば、来週の後半にかけて、日本付近にかなり接近し、上陸する恐れもある進路予想です。

大きく3つのパターンが存在

金曜日夜の予想天気図(ウェザーマップ)
金曜日夜の予想天気図(ウェザーマップ)

台風13号の進路は大きく3つのパターンに分かれているようです。

一つ目は、比較的真っすぐに日本の東を北上するパターンで、この場合は来週の後半にはもう日本の東へ遠ざかる可能性が高いと言えるでしょう。

二つ目は日本の南を北上、あるいは北西進しながら日本列島へ接近するパターン。

この場合、日本列島へ非常に大きな影響があるのはもちろん、じっくりと発達しながらゆっくりと近づくため、海の日を含む来週末にかけて最も影響が出る恐れがあります。

中にはかなり強力な台風として、被災地を狙うように進むパターンも計算されています。

三つ目は、日本の南を西進し、当面沖縄方面へ向かうコースです。

さらに日本近海で迷走状態に入る可能性も考えられます。

太平洋高気圧の位置や勢力が大きく影響

月曜日の太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)
月曜日の太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

前回の台風12号は上空の反時計回りの渦(寒冷渦)の影響で、まれにみる進路をたどりましたが、今回、そのような寒冷渦は予想されていません。

しかし進路予想を難しくしているのは、猛暑をもたらしている太平洋高気圧です。

週明け月曜日の予想をみると、この太平洋高気圧が東日本から北日本にかけて弱まっており、こうなると台風はこの隙間を狙うように北上し、東日本へ接近することも考えられます。

しかし、この高気圧がその後、日本付近で再び強まる計算や弱まる計算など様々な予想が混在しており、果たして小笠原付近からどこへ台風が向かうのか?何とも言えない状況となっています。

ただ最悪はこの高気圧が日本付近へ向かうコースをお膳立てする可能性があります。

来週はお盆休みが近づいてくる週でもありますし、今後の進路予想に十分ご注意下さい。

平成30年7月豪雨による大雨被害に対して、緊急災害支援募金(Yahoo!基金)を行っていますので、ご協力をお願いいたします。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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