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台風5号は「秋台風と夏台風」の性質を併せ持つ危険な台風

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
不気味な眼を持つ台風5号(ひまわり8号より)

コースは秋台風、速度は夏台風

台風5号の進路予想(4日午前3時現在)
台風5号の進路予想(4日午前3時現在)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風5号は強い勢力を保ったまま、西日本の南海上を西進しています。

けさ3時に発表された予報円は昨日とあまり変化がありません。

ですから、台風の進むコースは、これまでよりだいぶ確からしくなってきたとも言えそうです。とは言え、まだまだ予報円の大きな状態は続いています。

台風情報は6時間ごと(4時頃、10時頃、16時頃、22時頃)に、5日先まで更新されますので、常に最新の情報をチェックするようになさって下さい。

最新の情報をもとに考えると、台風5号はあす土曜日にかけて、強い勢力を維持したまま奄美地方をゆっくりと西寄りに進み、あさって日曜日には九州の南海上で北寄りに転向し、九州に接近したあと、早ければ上陸する恐れがあります。

その後、月曜日にかけて、西日本を縦断し、日本海を北上する見込みです。

この九州から日本海、あるいは北海道へ向かうようなコースは、まさに秋台風の典型的なコース取りとも言え、ことによると西日本だけではなく、東日本~北日本まで大きな影響が出る恐れがあります。

一方、速度はどうかと言うと、九州付近を北上している段階でも時速10キロ程度、日本海へ抜けても時速20キロ程度が予想されており、こちらは典型的な夏台風特有のノロノロ状態が続く見込みです。

速度が遅ければ、もちろん大雨や暴風などの影響を長時間受けることになります。

つまり、台風5号は、秋台風と夏台風の特徴を併せ持つ、非常に危険な性質をはらんでいるとも言えるでしょう。

7月に豪雨災害のあった福岡県や大分県をはじめ、西日本を中心に、大雨や暴風、高潮、高波などに厳重な警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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