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紅葉の見頃をチェック「紅葉10、10、10の法則」とは?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
奥日光、竜頭の滝の紅葉(写真はイメージ・アフロ)(写真:アフロ)

紅葉10、10、10の法則とは?

紅葉はその色づく木々の種類により、早いもの、遅いものがありますが、おおむね朝の最低気温が8℃程度に下がると始まると言われており、5℃以下に下がると見頃~最盛期を迎えることになります。

これをもっと簡単な指標で表すことが出来ないかと思い、自分で考えついたのが紅葉10、10、10の法則です。

これは朝の最低気温10℃未満の日数に注目したもので、10℃未満の日数が10日程度で色付き始め、更に10日程度(合計20日)で見頃を迎え、更に10日程度(合計30日)で最盛期を迎えるというものです。

実は10℃未満の日数が10日ある頃には実際の最低気温は8℃程度に下がり、更に10日ある頃には5℃~6℃程度に下がり、更に10日ある頃には3℃~5℃程度に下がることから、結果的には見頃~最盛期を迎える時期と一致することになるのです。

気温の低下がゆるやかな年や逆に急激に下がるような年には、もちろんこの目安よりも、早まったり、遅くなったりすることはありますが、過去の気温低下と紅葉の進行度合いを調べた結果、とてもよい目安になることが分かりました。

では、実際の状況をみてみることにしましょう。

関東甲信の紅葉状況は?(10月10日現在)

関東甲信地方の紅葉の色付き度合い。10月10日現在。
関東甲信地方の紅葉の色付き度合い。10月10日現在。

けさ(10日)の最低気温までを加味したデータは上図の通りです。

10℃未満の日数が20日を超えて見頃となっているのは、奥日光や菅平など、標高が1000mを大きく超える山。実際に奥日光の中禅寺湖あたりでは見頃になっているようです。このあたりではあと1週間程度で最盛期になるのではないでしょうか?

また標高が1000m前後の軽井沢や山中湖などはまだ色付き始めといった状況です。標高500m以下の所ではまだほとんど色付いていないと思われます。

東北地方の紅葉状況は?(10月10日現在)

東北地方の紅葉の進み具合。10月10日現在。
東北地方の紅葉の進み具合。10月10日現在。

では、東北地方はどうでしょうか?

東北地方は南北に距離があるため、比較的ばらつきの大きな地域となります。

10℃未満の日数が20日を超えている所は、酸ヶ湯や八幡平など標高1000m以下の所まで進んできています。このあたりでは見頃に入っているでしょう。

また標高が500m以下の所でも東北北部を中心に色付きが進んでいるようです。ただ、青森や秋田、仙台など、都市部ではまだまだこれからでしょう。

なお、データ上からも分かるかと思いますが、東北地方の紅葉は関東甲信地方よりもおおむね500m前後山を下ってきています。

北海道の紅葉状況は?(10月10日現在)

北海道の紅葉の進み具合。10月10日現在。
北海道の紅葉の進み具合。10月10日現在。

では、北海道はどうでしょうか?

さすがに北海道だけあって、標高が500m前後の所ですでに10℃未満の日数は30日前後に達しており、このあたりでは最盛期または落葉が始まっているかもしれません。

更に標高が200m前後の所まで見頃の所が下りてきており、旭川や帯広などでも色付きが進んでいると思われます。

札幌や函館などでも、間もなく色付きが始まるでしょう。

なお、北海道の紅葉は関東甲信地方よりも1000m前後も山を下ってきています。

だれでも簡単にチェックできます!

実は上記のデータは気象庁のHPからだれでも簡単にチェック出来ます。

気象庁HPの過去の気象データ検索より、都道府県を選び、そこから各地点を選んで、日毎の気象データ(最低気温)を参照するれば良いのです。ちなみに、地点名にマウスを持って行くとその地点(観測所)の標高も表示されるので便利です。

紅葉10、10、10の法則は、あくまでも目安であり、絶対的なものではありませんが、紅葉に行かれる場合の参考などにして頂きたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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