首都圏最大の水がめ、矢木沢ダムの貯水量が低下中。今夏の水は大丈夫?
矢木沢ダムの貯水量が低下中
首都圏の水がめとも言われている利根川水系8ダムのうち、最も多くの水を溜め込むことが出来るのが矢木沢ダムで、8ダム夏期貯水容量の約33%を貯水できます。この矢木沢ダムの貯水量が5月下旬以降急減しているのです。以下の図をご覧下さい。
例年、雪解けの水が流れ込む4月~5月にかけてはほぼ利水容量いっぱいの状態となり、その後、梅雨時~盛夏期にかけては降水の状況により、ばらつきのある状態で推移していきます。ただ、秋以降は再び貯水量が増えていきます。
今年も例年通り、5月20日頃まではほぼ満水の状態でしたが、少雨の影響でその後は低下の一途をたどり、きょう6月13日午前11時の段階では、貯水量約6717万トン(貯水率58.2%)で、今の時期としては一昨年(緑の線)と並んで最も少ない水準となっています。
その一昨年も6月半ばまでは貯水率が急減していったのですが、6月後半には梅雨前線や上空寒気の影響で毎日のように雨が降ったため、いったん持ち直した格好となっています。今年はどうでしょうか?気象庁の1か月予報でみてみましょう。
1か月予報では降水量は少ない傾向
6月11日(木)発表の1か月予報によると、7月上旬にかけての降水量は、関東を含む東日本~北日本で少ない傾向となっています。これは今夏強まる予想のエルニーニョ現象により、梅雨前線の北上が遅れると予想されているためです。
ただ、7月中旬~盛夏期にかけては逆に降水量は多くなる傾向とも予想されています。このあたりは、予想通り推移するのか難しいところですが、仮に少雨の傾向がこの先もしばらく続いてしまうと、首都圏で水不足というニュースが流れ始めるかもしれません。そんなニュースが流れる前から一人一人が節水を心がけないといけないですね。
利根川水系8ダム合計でも少ない状態
矢木沢ダムを含めた利根川水系8ダム合計でも平年より少ない貯水量となっています。