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週明けは今シーズン最強クラスの寒気襲来

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

今シーズン最強クラスの寒気流入

今年は2月の終わりに春を思わせる暖かな陽気となりましたが、3月に入った途端、冬の寒さに逆戻りしてしまいました。

これは上空に寒気が居座っているためで、北日本では吹雪や大雪が続き、都心でも6日(木)には雪が舞って、今シーズン11日目の雪日数をカウントしました。

こんな寒さが続いている中、週明けには、強烈な寒気が日本列島に流れ込む予想です。この寒気のレベルはこの冬以降で最も強いクラスと呼べるものです。

3月10日午前9時の寒気予想(8日午前9時の初期値)
3月10日午前9時の寒気予想(8日午前9時の初期値)

3月10日(月)午前9時の上空約5000mの寒気の予想をみると、北日本には-42℃以下の寒気の中心が接近し、北陸には-39℃以下が流れ込み、山陰や関東にも-36℃以下の寒気が流れ込む予想です。

3月は雪雲を発生させる日本海の海水温が年間を通して最も低くなる時期なので、極端な大雪となるおそれは小さいと思いますが、それでも北陸や北日本を中心に、寒気の通過する11日(火)にかけて、大雪や吹雪に注意・警戒が必要となります。山沿いでは警報クラスの大雪となる所もあるでしょう。

(日本海の海水温が低いと上空と地上との温度差が小さくなる分、雪雲の発達は抑えられます。12月~1月にかけて海水温の高い時期の方が上空と地上の温度差が大きくなる分、雪雲が発達することになります。)

また、全国的に3月とは思えない真冬並みの寒さとなり、非常に冷たい北風が強く吹くでしょう。11日の被災地でも、晴れ間はありますが、非常に厳しい寒さとなりそうです。

気象庁発表の情報

今シーズン最強クラスの寒気とは?

ところで、日本列島に流れ込む寒気の強さを言う場合、上空約5000mを用いたり、上空約1500mを用いたりする場合がありますが、これは上空に流れ込む寒気の入り方に様々なパターンがあるためです。

上空高い所がより強い場合や低い所がより強い場合があったり、また、流れ込む地域も、西日本から入る場合や北日本だけで終わる場合など、様々なパターンがあります。

今シーズン観測された各地点の低温記録をみてみましょう。

(高層観測は9時と21時の1日2回だけ行われ、欠測となる日もあります。)

今シーズンの高層観測低温記録
今シーズンの高層観測低温記録

ご覧のように、最も低い気温を観測した日は約5000mと約1500mで別々の日ということが多く、その日付も地域によってバラバラとなっています。これだけ、寒気の入り方には様々なパターンがあるわけです。

ただ、その冬を代表するような強い寒波が襲来するような時は比較的多くの所でその冬の低温記録が観測されることになります。今シーズンで言えば、12月28日~29日にかけての年末寒波や2月5日~6日にかけての立春寒波がそれにあたります。

今回流れ込む寒気の強さは、上空約5000mが3月としては極めて強く、10日午前9時の予想では、本州付近の多くの所で、今シーズン一番低い気温を観測する可能性がありそうです。そういう意味で、今シーズン最強クラスの寒気の襲来か?と題しています。

3月上旬は30年ぶりの低温も(東京)

東京の3月上旬の気温は30年ぶりに低くなるかもしれません。

東京の3月上旬の平均気温、年毎の推移。
東京の3月上旬の平均気温、年毎の推移。

3月に入ってからの平均気温は8日現在6.3℃で、2011年と並んでいます。

9日と10日も寒さが続きそうなので、もし、1日~10日までの上旬の平均気温が上記よりも低くなると、1984年の5.2℃以来、30年ぶりの寒さとなります。

この結果は10日が終わればはっきりします。

東京の旬毎の気温

(上図は気象庁発表資料より、加工は了承済み)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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