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台風23号&24号は真夏のコース取り~来週にかけて真夏日続出も~

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

雲の様子は「台風北上型」

台風23号は勢力を強めながら沖縄の南海上を北上しています。

台風23号と雲の帯
台風23号と雲の帯

雲の様子をみると、台風23号から北東側へ雲の帯が延びており、気象に長けた人なら一目でこの台風の本州への接近を視野に入れることでしょう。

なぜなら、台風からこのような雲の帯(秋雨前線)が北側に延びるのは、多くの場合、東側にある太平洋高気圧と北から南下した偏西風に伴って発生するもので、台風はこの高気圧の縁辺に沿って北上し、偏西風に乗って北東進することが多いからです。

今回も雲の様子だけをみると、このまま北上し、本州付近に接近するのではないか?と思ってしまいます。

台風23号は真夏のコース取り

しかし、気象庁から発表されている台風23号の進路予想はまるで逆の方向を向いており、今後、西寄りに進み、中国大陸方面へ進む可能性が高くなっています。

台風23号は中国大陸へ
台風23号は中国大陸へ

このように、台風が沖縄付近から中国大陸へ進路をとるのは、いわば真夏のコース取りとも言え、10月としてはかなり珍しい、異例のコース取りだとも言えます。ではなぜこのような進路予想となっているのでしょうか。それは日本の上空が週末にかけて真夏のような形になるからです。

今、東の海上にある上空の高気圧(太平洋高気圧)がこのあと西に勢力を拡大し、本州付近に大きく張り出す予想です。これとともに本州付近に南下している偏西風は大きく北上し、台風は西側に進路をとらざる得ない状況となるのです。

この上空の高気圧、週末~来週前半にかけて、10月としては極めて勢力が強くなるため、台風も真夏のようなコース取りをすると予想されているのです。

なお、今後、台風は西進傾向がはっきりと出てくると思われますが、どこまで西寄りに曲がるかはまだはっきりしていません。沖縄本島地方や先島諸島では、最新の台風情報にご注意下さい。

また、きょう(4日)午後3時に発生した台風24号も沖縄付近へ進んだあと、東シナ海を北上し、来週半ば頃に朝鮮半島方面を指向する予想です。このコースも真夏を彷彿させるような進路予想となっています。

最新の台風情報

来週にかけて真夏日続出か

一方、土曜日(5日)は雨雲が本州付近を北上するため、気温はあまり上がりませんが、日曜日(6日)から来週にかけては、季節外れの暑さとなる所も出てきそうです。東日本や西日本で日差しのある所では、局地的に30℃を大きく超えるような可能性もあります。

東京や大阪の週間予報をみると、最高気温の予想幅の高い方が30℃から31℃と予想されています。

東京の週間予報
東京の週間予報
大阪の週間予報
大阪の週間予報

過去、最も遅い真夏日の記録は、東京都心で1915年10月9日(1875年以降)、大阪では1994年と1999年10月12日(1941年以降)となっています。

来週にかけて、晴れ具合によっては、真夏日の最も遅い記録(最晩記録)を更新する所も出てきそうです。

なお、高温傾向は来週をピークに10月20日頃までは続く見通しです。

*台風24号の発生に伴い、一部加筆しました。

(上図は気象庁発表資料に加工了承済み)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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