猛暑と少雨の行方~首都圏の水がめ黄色信号~
台風がもたらした猛暑
近畿地方や日本海側を中心に、6月としては異常とも言える猛暑が続いています。この暑さをもたらしたものは今週、日本の南へと北上してきた台風3号です。
昨日(13日)の雲の様子をみると、台風3号は熱帯低気圧(のちに温帯低気圧)に変わったものの、南の海上には大きな雲の渦巻きが停滞しており、この渦巻きの周辺部にあたる東北~西日本にかけて非常に湿った空気が流れ込んでいる状態です。
関東など一部では低気圧の外側の雲がかかって気温が低くなりましたが、晴れている所では、台風の暖気、強い日差し、局地的なフェーン現象などにより、記録的な猛暑となりました。
今日(14日)の最高気温は、大阪府豊中で36.7℃と2日連続で全国一番の暑さを記録し、大阪、奈良、岡山などで、2日連続の猛暑日となり、近畿~四国にかけての8地点で6月の観測史上1位の暑さとなりました。今後、これほどまでの猛暑は峠を越えますが、来週にかけても晴れれば30℃を超える高温状態が続きますので、引き続き、熱中症にはご注意下さい。
首都圏の水がめは黄色信号
ところで、台風3号が発生した当初は日本列島を北上し、少雨(水不足)という観点からはかなりの雨をもたらしてくれる期待もありましたが、ふたを開けてみれば、日本の手前でストップし衰弱してしまう結果となりました。
この10日間の雨量をみると、台風の影響が大きかった伊豆半島の天城山では400ミリを超え、関東でも箱根では200ミリ以上の大雨となりました。また、東京都心や横浜でも50ミリ以上のまとまった雨となっています。しかし、台風が南の海上で衰えてしまったため、首都圏の水がめ(利根川水系)がある関東北部山沿いの降水量は、ほとんどの所で10ミリ以下に終わってしまっています。
このため、首都圏の水がめともなっている利根川水系8ダムの貯水量は減少の一途をたどっています。現在の貯水量はプールが使用中止になったり、噴水が止まったりするなど、深刻な水不足に陥った平成6年及び、平成8年と比べても極めて少ない貯水量となっています。この利根川水系のダムを潤すには平均的に100ミリ~200ミリ程度の降水量が必要となります。
目先、上空の寒気や来週日本付近へと南下してくる梅雨前線の影響で、これまでより雨は降りやすくなりますが、どれくらいの雨量になるかは予想の難しいところです。仮に来週にかけての雨が空振り傾向で終わってしまうと、再来週はもう6月下旬となります。今後の雨次第では、早々にも取水制限などが検討されるかもしれません。現在、首都圏の水がめには黄色信号がともっている状態と言えるでしょう。
また、今日、気象庁からは6月5日の情報を引き継ぐ形で、東日本や西日本に少雨に関する情報が出されました。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/000_03_662_20130614061754.html
(上図は気象庁HPより、加工は了承済み)