熱帯低気圧(台風)日本の南へ北上するおそれ
少雨、空梅雨、水不足・・・
今週後半になって、これらのニュースが一気に話題に上るようになりました。昨日までの30日間(5月9日~6月7日)に降った雨の量は、日本列島のほとんどの所で平年の50%以下となっています。
なかには、記録的な少雨となっている所もあります。
例えば東京の5月1日~6月7日までの雨量は平年の約34%にあたる56.0ミリで、この期間の雨量としては、観測が開始された1876年以降では2番目に少ない記録となっています。
東京の降水量(5月1日~6月7日)
少ない方からの順位(1876年以降)
1位50.5ミリ(1967年)
2位56.0ミリ(ことし)
3位61.8ミリ(1940年)
今年も水不足が心配されていますが、1位と3位にあたる1967年と1940年も、利根川での渇水が発生しました。
来週の雨は台風次第?
ところで、来週の天気を大きく左右するかもしれない熱帯低気圧が昨日(7日)フィリピンの東海上で発生しました。昨夜まではあまり発達する様子は見られなかったものの、今日に入ってから中心付近の積乱雲が急速にまとまりをみせています。
現在、フィリピン東方海上の海水温は30℃~31℃もあり、平年よりはかなり高く、熱帯低気圧を台風にまで発達される環境が整っている状態です。
気象庁からもけさ9時に、今後24時間以内に台風となる見込みという情報が発表されました。
台風となったあとの進路はまだ不確実ですが、日本の南海上に進んだ後、日本付近にまで北上してくる可能性もあり、もしそうなれば、これまでの少雨傾向は一転し、大雨の降りやすいパターンともなります。今後の発達具合やその進路予想には十分注意をする必要があるでしょう。
ひょっとしたら、来週は猛暑と大雨が共存するようなパターンとなるかもしれません。
なお、6月の台風に関して少し触れておくと、1951年から2012年までの62年間で、本州付近に接近(300キロ以内)した台風は合計26個、このうち本土に上陸した台風は11個となっています。平均すると、2~3年に1個は本土に接近し、5~6年に1個は上陸している計算になります。
梅雨時の台風は梅雨前線を刺激するため、かなりの大雨をもたらす反面、夏期にかけての貴重な水資源を日本列島にもたらしてくれることにもなります。