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【解説】投票日直前!主要政党候補による子ども・若者・教育政策のポイント#こども応援団

末冨芳日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

いよいよ7月10日が、参議院選挙の投開票日です。

明日、期日前投票に行く、という方も多いでしょう。

参議院選で、子ども・若者・教育政策を重視して投票したいという方のために、この選挙戦を通じて主要政党の候補者自身が説明した子ども・若者・教育政策のポイントを把握していきます。

※安倍元総理へのテロ行為は許されれないことです。

このようなときこそ、有権者が冷静に投票をすることこそ、良い民主主義のために一人ひとりができる貢献だと私は考えています。

この記事も、その一助となることを願って書いています。

はじめに:主要政党候補者による公約説明の重要性

わが国では、選挙前の報道が極端に少なく、政治家自身による政策の説明を有権者は限られた場でしか見聞きできません。

子ども政策や若者政策に詳しい政治家が、自党の公約について語ることを聞く機会はほとんどないのが実態です。

新聞記事のまとめも正直おおざっぱすぎ、政党の、子ども若者や子育て世代に対する思いを伝えることには成功していません。

だからこそ、今回の参議院選挙の中で、主要政党で子ども・若者政策や教育政策に「もっとも詳しい」候補者に話を聞きたいと、子育て世代によるリレートーク形式でのオンライン公開イベントが開催されました

1日目2日目、公職選挙法の規定をふまえ7/9中に削除される予定です)。

この記事は主要政党の子ども・若者政策や教育政策に詳しい候補者による公約解説のポイントをまとめています。

活きた言葉で語られる公約は、子育て世代を中心とする参加者の満足度は非常に高く、もっとこうしたイベントを開催してほしいという感想も多く寄せられました。

主催者は、子育て世代の有志(普通のママやパパ)の団体です。

このような普通の国民が、政治家から直接公約や政策について意見を聞き、対話する機会は、日本の民主主義の進化のために必要です。

自由民主党:自見はな子候補

・自民党公約のポイント

自民党の参議院選挙の公約で注目すべきは「予算倍増」が公約に入ったこと。

強い権限・専任大臣を求めてきたが「予算倍増」は自民党公約に入ったのが大きい

・個人として重視するポイント

障害児支援から所得制限撤廃を、と考え参議院予算委員会で岸田総理に質問した

街頭の声からも、「所得制限なんとかしてください」という声が多い。

中間層が一番苦しい

超高所得層には「辞退」の仕組みを作って、中間層にも手厚い支援をと考えている。

・財源はどうする?

このままでは国が大変なことになる、こどもまんなかを実現する国の哲学づくりのもとで財源を論じる必要がある。

経済界の合意形成がポイント!

・自民党はこどもまんなかになれるのか?

自民党はいい意味で変わりつつある、介護保険ができたときは3年かかったが、こども家庭庁の議論は半年で進んでいる

自民党は地殻変動の途中、子育ては家庭の負担、という考えから変わりつつある

・政治家になった理由は

政治家にならないと思っていたけれど、小児科医としての経験が大きかった。

子どもが安心して受診できる日本の国民皆保険の医療制度にしっかり取り組みたいと決意を固めたことが多い。

子育てのリスクもみんなで支える社会にならなければならない

・若者・子育て世代へひとこと

本当に民意で政権は動く、投票にいって民意を示してほしい

日本共産党:田村とも子候補

・共産党の公約

共産党は金は出すけど、口は出すなという姿勢

保育の無償化から教育の無償化へ、所得制限なしで実施することを重視している

大きかったのは民主党政権の高校無償化の導入

子どもに関わることは子どもが収入があるわけではないので、子どもを差別・分断しないという判断を共産党として方針にした

大学の無償化はまずは授業料・入学金半減にして、完全無償を増やす

とくに貧困層の子どもには手厚くすることを重視している、生活保護世帯からの大学進学もあたりまえにしたい。

・個人として重視する公約

子どもの権利条、意見表明権を進めたい

地方議会の子ども議会もただやってるだけ、ではなく、大人が子どもの意見を尊重して実現しないといけない

中学校はとくに変わってほしい

・保育士の待遇改善について

全産業平均に近づける、月8万円の増額

保育・介護の分野は、女性労働者が多い、男女賃金格差を改善、ジェンダー平等

ILOは地方公務員の男性と同水準をという方針を示している

・財源はどうする?

共産党として19兆円の歳入歳出改革のプランを持っている。

中間層の負担を軽減しつつ、年収1億円を超えるような富裕層への課税や法人税などの改革が重要

・政治家になったきっかけ

20歳で学費値上げがおかしいと考え共産党に入党した。

自分がこういう社会にしたいということが堂々と話しできるのは気持ちいいことだと思った、核廃絶への取り組みも重視してきた。

・若者・子育て世代へのメッセージ

世の中の理不尽なことに声をあげるのは大事!

ともに声をあげて政治を変えよう!

日本維新の会:高木かおり候補

・維新の公約のポイント

教育の無償化、出産費用の無償化をかかげている

・個人として重視するポイント

1期目から教育の無償化をずっと訴えている

スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど数が足りない、子どもたちを取り巻く深刻な環境(いじめ・虐待・不登校・貧困)などをしっかり改善したい

子育てしながら国会議員をしているが、女性も子どもを産んでも正規就労の職を得て社会で活躍するために、学びなおしができリカレント教育を実現したい

・維新は所得制限賛成派?

本来なら所得制限なしが良い、大阪府・市で子ども若者支援に所得制限はしているが、地方自治体でできることは限られている

日本維新の会としては所得制限のない子ども若者支援を目指している

・財源はどうするの?

身を切る改革は重要、行財政改革もしっかりすることで、市民にも改革への姿勢を見せることは重要

成長分野をひろげて財源を増やしていくのが維新の政策

・政治家になったきっかけ

専業主婦として子育てをしていたが、子どもたちをとりまくいじめ・学級崩壊などの環境の変化を経験すると、親が対応できなくなってくる

子どもたちは社会・地域で育っていくので、楽しく学校に通えるような社会を作りたい

・若者・子育て世代にひとこと

日本は子どもを産み育てるにはあまりにしんどい国だなと思ってきた

中間層だけど子どもの教育費や子育てはお金がかかる

子どもたちを国が支える社会にしたい、少子化が国難だというなら予算を国がつけるようにしていきたい

国全体の意識の改革が必要だからこそ、国会で頑張りたい

公明党:伊藤たかえ候補

・公明党の公約のポイント

子育て応援トータルプラン、ライフステージに沿った支援

出産一時金の増額

高等教育の給付型奨学金の所得制限の緩和

また貸付の奨学金も含め、借りやすい・返しやすい仕組みを

・個人として重視する政策

ヤングケアラー支援に真剣に取り組んできた、子ども若者を支える人材育成が大切

所得制限については「なし」というのが個人としては重要

児童扶養手当は所得制限厳しすぎる、見直しをしたほうが良い

・養育費政策について

養育費の調停もしていたが、保護者同士の話し合いも難しいケースも

養育費は子ども自身の権利、離婚後も子ども家族に寄り添える支援を

・政治家になった理由

弁護士としてホームレス支援をしていたが、いろんな支援制度がうまくかみあっていない、あとすこしのサポートがあったら、と思う経験が多かった

・若者・子育て世代へひとこと

子どもたちのことはとても重要な課題、有権者の声も若い世代を大事にしてほしいという声が多かった

公明党は子どもマニフェストも発信しています、お子さんと政治の話もしてください

国民民主党:矢田わか子候補

・国民民主党の公約のポイント

所得制限をなくす!

児童手当は増額、18歳まで、いちばんお金のかかる高校生世代まで

義務教育にかけるお金を無償に(給食・修学旅行・部活など)

若者の被選挙権年齢を引き下げる

・財源について

財源、国の無駄を省くこと、教育国債を重視

国は25年少子化対策に成功してない、大胆にやり方を変えないといけない

抵抗勢力は、自民党の年配議員と財務省

・政治家になった理由

5人きょうだいだが、高校生のときに親が二人とも病気になってヤングケアラーだった。高校もやめようかと考え、進学もできなかった、そんな日本をよくしたいというのが原動力

・若者・子育て世代にひとこと

子ども政策若者の第一人者としてこれからもしっかり取り組みます

立憲民主党:宮沢ゆか候補

・立憲民主党の政策のポイント

チルドレンファーストをかかげている

GDP比3%の子ども予算

給食無償化

所得制限のない児童手当の18歳延長

所得制限のない高校無償化、大学の無償化

・個人的に重視する政策

個人的には保育士の待遇改善

保育士も子どもに対してもっと質の高い保育ができるように配置したい

・政治家になった理由

政治家、子育てで孤立を感じてママ友同士のネットワークを作ってきた

なかなか子育て支援が充実しないので女性議員を増やそうというアクションを山梨で繰り広げていたのが政治家になるきっかけ

・若者・子育て世代へひとこと

政治はみなさんの手で変えられる

仲間を集めて声をあげていこう!

必ず政治は変わる

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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