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ネリにKO勝ちした元WBA/WBCスーパーバンタム級チャンプの次戦

林壮一ノンフィクションライター
Esther Lin/SHOWTIME

 5月6日に東京ドームで井上尚弥に挑むルイス・ネリ。35勝1敗のネリだが、唯一の黒星の相手が、元WBA/WBCスーパーバンタム級チャンプのブランドン・フィゲロアだ。

 2021年5月15日、WBAタイトルを保持していたフィゲロアは、WBC王者ネリとの統一戦で7回KO勝ちを収めた。

Sean Michael Ham/TGB Promotions
Sean Michael Ham/TGB Promotions

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3a03f56832a80cb8a7abe45a12ce150bc210d4ed

 しかし、半年後、WBOチャンピオンだったスティーブン・フルトン戦でキャリア初の判定負け。スコアは112-116が2名、残る一人は114-114だった。

 この日のフィゲロアに、ネリ戦ほどのキレは無かった。身長で4センチ、リーチで5センチ上回る体格をまったく生かせず、初回からWBO王者にジャブで差し負ける。何度もスイッチしたが、有効策ではなかった。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 その後、増量したフィゲロアはWBCフェザー級タイトルに就いたことのある、マーク・マグサヨとのWBC暫定空位決定戦で、3-0(117-109、117-109、118-108)の勝利を収めた。

 そしてフィゲロアは5月4日に暫定王座の初防衛戦として、元WBOスーパーバンタム級王者、ジェシー・マグダレノ戦を迎える。

Esther Lin/SHOWTIME
Esther Lin/SHOWTIME

 先日行われたバーチャル会見で、フィゲロアは言った。

 「このような機会をもらえて、とても光栄だ。俺はベストを尽くすべく、準備中だ。今は、自分を律してハードワークを重ねるだけ。勝つために必要なことは何でもやっている。集中力を切らさずにね。どちらが、より飢えているのかがカギになる。与えられたチャンスを手にしなければ。

 俺が接近戦にアドバンテージを持っていることは、誰もが知っているよな。ジャッジに好印象を与えるように、あらゆる手を使う。勝つために、やるだけのことをしなきゃな。火花が散る一戦になるだろう。

Esther Lin/SHOWTIME
Esther Lin/SHOWTIME

 俺は(WBCフェザー級チャンピオン)レイ・バルガス戦を希望しており、対戦の機会を我慢強く待っていた。戦いたくてうずうずしているんだ。トップレベルの男たちと戦いたい。バルガスが今年中に応じるなら、そうしたい。もし実現しないなら、スティーブン・フルトンと再戦したい。俺はいつだって、ファイト・オブ・ザ・イヤー候補でいたい。

 ジェシーが世界王座に就いたことには理由がある。彼は最高のメンバーと共にキャリアを重ねてきた。現時点で、ボクシング好きが期待するベストな相手だよ。5月4日の会場はメキシコを祝う、これ以上ない雰囲気になるだろうし、ファンが俺をサポートしてくれることは間違いない」

 ネリ、フルトンと、井上尚弥の対戦相手と拳を交えたフィゲロア。この男も、4冠統一スーパーバンタム級チャンプにとっては、美味しい相手と言えそうだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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