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「メッシが出ないならカネ返せ!」香港で大ブーイングを浴びた神の子は、ヴィッセル神戸戦に出場するのか?

林壮一ノンフィクションライター
(写真:ロイター/アフロ)

 「メッシが出場しないなら、カネを返せ!」

 刺激的な言葉が書かれたプラカードが、スタディアムのあちらこちらで見受けられる。

 2月4日(日)に行われた香港XIとインテル・マイアミとの親善試合で、バロンドールに8度輝いたリオネル・メッシはピッチに立たなかった。チームカラーであるピンクのパーカーに黒いスウェットの下を穿き、ガムを噛みながら戦況を見詰めるだけだった。

 メッシ見たさに訪れた4万人のファンは満員のスタディアムで、当初は歓声を上げていたが、70分過ぎからブーイングと返金を求める声が渦巻いた。

 インテル・マイアミは香港を訪れるまで、プレ・シーズンツアーで未勝利だったが「タトラーXFEST香港」と銘打たれたゲームで、香港XIを4-1で一蹴した。

写真:ロイター/アフロ

 とはいえ、香港のファンはメッシを見たいが為に、880~4,880香港ドル(米$113~$624)を支払っていた。チケットは昨年12月に発売され、即、完売。

 メッシ以外の選手が交代を告げられてピッチに立つ度にブーイングが響く。アディショナルタイムには英語と広東語で「Refund(返金)!Refund(返金)!!Refund(返金)!!!」なる叫び声が上がった。

写真:ロイター/アフロ

 香港政府も、36歳のアルゼンチン代表&マイアミの背番号10が試合に出場しなかったことに遺憾の意を表明。

 「メッシは今日の親善試合に出場せず、政府もファンも主催者の取り決めに失望している。イベント主催者はファンに説明する義務がある」とアナウンスした。  

 新加入のルイス・スアレスも、記者会見には出席したがピッチには立たず。バルセロナ時代からの同僚であるジョルディ・アルバとセルヒオ・ブスケツは、後半に途中出場した。

写真:ロイター/アフロ

 インテル・マイアミのタタ・マルティーノ監督は試合後、次のようなコメントを残した。

 「この決定は医療スタッフと協力して下しました。選手のケガを悪化させるリスクを冒している為、出場を見合わせたのです。私たちはファンの皆さんの失望を理解しています。大変申し訳ありませんが、もし彼らにプレーしてもらう機会があったなら、そうしたことをお分かり頂ければと思います」

写真:ロイター/アフロ

 メッシはこのプレ・シーズンツアー中、内転筋に違和感を覚えており、クラブはそれを注視しているとのことだ。マルティーノ監督は試合前の記者会見で、全選手が評価されるべきとしながら、「レオができるだけ長くプレーできることを望む」と述べた。

写真:ロイター/アフロ

 早速、今回の件について、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロにコメントをもらった。

撮影:筆者
撮影:筆者

 「2月25日のMLS(メジャー・リーグ・サッカー)の開幕を控え、今、メッシにケガをされては困るというのが、インテル・マイアミの思いでしょう。契約の問題で、メッシはプレーしなければいけなかったらしいです。でも、本当にメッシは今、両足の太腿の裏が張っているようです。肉離れまではいかないそうですが…。今年の夏はコパ・アメリカもあるし、36歳という年齢を考えても、無理はさせられなかったのでしょう。

 香港ではサイン会みたいなこともやったんですよ。まぁ、インテル・マイアミとしてはプレ・シーズンツアーの初っ端で、アルゼンチン代表の21歳の若手、ファクンド・ファリアスが左膝の前十字靭帯を断裂し、今季出場できなくなったばかりですから……。

 それでも、7日のヴィッセル神戸戦で、メッシはちょっと出るらしいですよ。アルゼンチンメディアが報じています」

写真:ロイター/アフロ

 果たして明日の神戸戦、メッシはピッチに立つのだろうか。もしプレーしたら、また香港が荒れそうだが…。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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