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ワールドカップ連覇を目指す世界最高のサッカー選手

林壮一ノンフィクションライター
(写真:ロイター/アフロ)

 2021のコパ・アメリカ、2022年のW杯カタール大会でアルゼンチンを優勝に導いたキャプテンのリオネル・メッシ。昨年は、8度目のバロンドールを受賞した。

写真:ロイター/アフロ

 現在、MLS(メジャー・リーグ・サッカー)のインテル・マイアミに所属し、米国を盛り上げているメッシだが、今年6月に37歳となる。

 現在行われている2026年W杯の南米予選で、アルゼンチン代表は5勝1敗で首位を走る。間違いなく、優勝候補として本大会出場を果たすだろう。ただ、2大会連続Vを目指すアルゼンチンの背番号10は、自身6大会目のワールドカップを39歳で迎える。ディフェンディングチャンピオンといえども、いつまでも、メッシに頼り切る訳にはいかない。

 そんな事情を、本コーナーでお馴染み、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロに語ってもらった。

撮影:筆者
撮影:筆者

 「去年の11月21日にリオデジャネイロのマラカナン・スタディアムで催されたプラジル戦でのメッシは、前半15分くらいで右太腿の肉離れに見舞われました。78分にディ・マリアと交代してベンチに下がりましたが、体が悲鳴を上げていましたね。

 元々、”走らないけれど、決定的な仕事をする選手”です。今後、もっと運動量が減っていきますよ。

写真:ロイター/アフロ

 それでも、ゴール嗅覚とあの閃きは、神様から与えられたとしか感じられないものです。本人も『若い頃みたいには走れない。90分プレーするのは難しい。スライディングも無理だ』って発言していますから、ベンチスタートで流れを変える局面でピッチに立つ役割を担うのがいいと僕は思いますね。フリーキック、コーナーキックの精度は相変わらず抜群で、唯一無二ですし。

写真:ロイター/アフロ

 確かに、インテル・マイアミでは大活躍しています。でも、MLSだから90分プレー出来るんですよ。言ってしまえば、歩きながらでもこなせるリーグなんですね。

 メッシ効果は凄いです。マイアミのプレ・シーズンマッチがエルサルバドルで組まれ、4万人分のチケットが即、完売しました。相手はエルサルバドル代表が務めるそうです。

 メッシのバルセロナ時代の僚友であるルイス・スアレスもマイアミの一員となりましたし、アメリカではかなりの強豪となるでしょう。MLS王者となって、北中米、カリブ海のトップが争うCONCACAFチャンピオンズリーグ、そしてリベルタドーレス杯を目指してほしいですね」

写真:ロイター/アフロ

 世界最高のサッカー選手が自らの老いといかに闘うかも、興味深い。今季もMLSでは、大いにファンを沸かせるに違いない。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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