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初防衛戦間近! 第64代日本ライト級チャンピオン、仲里周磨

林壮一ノンフィクションライター
撮影:筆者

 クリスマスイブの日、沖縄空手会館にて日本ライト級タイトル初防衛戦のリングに上がる、チャンピオンの仲里周磨。試合を控えた、仲里は語った。

 「挑戦者の村上雄大は、身長の高いサウスポーです。アマチュア上がりなんで、細かいパンチもあって上手いなと。ただ、パンチはそこまで無いので、ジリジリ削りながら倒したいですね」

 4月26日に、宇津木秀を3回KOで下してベルトを奪取した仲里は、夏に米国LAでキャンプを張った。中谷潤人と共に、ルディ・ヘルナンデスの教えを受けたのだ。

撮影:筆者
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 「アメリカは凌ぐラウンドも作って、一日に8ラウンドとかスパーをやりますよね。日本ではガチンコで6回くらいやるのが普通ですが、<凌ぐ>ということが勉強になりました」

 世界タイトルに3度挑戦した、スーパーライト級のサウスポー、ホセ・ぺセダとのスパーリングをこなした。

撮影:筆者
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 「基礎の大切さを再確認でき、とても有意義なキャンプになりました。ルディの教え方は良かったです。今まで迷っていた部分がスッキリしました。バランスが何より大事だぞっていう言葉にも納得できました。

 中谷潤人選手は上手いし、バランスがいいですね。本当に刺激になりました。戦い方も上手いですよね」

撮影:筆者
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 日本ライト級チャンプがボクシングをスタートした小学5年生次から、二人三脚で歩んできた実父、元OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者の繁氏も語る。

 「LAで、上には上がいるということを肌で感じ、非常にいい経験になったと思います。私たちが育った沖縄で、皆さんに喜ばれる試合を見せてほしいですね」

 帰国後、じっくりと走り込み、11月からスパーリングをこなして、今週末の防衛戦を迎える。

撮影:筆者
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 仲里の戦績は目下、18勝(8KO)2敗3分けだ。

 「デビューした年に新人王に出たんですが、決勝で拳を痛めて、2年間ブランクを作ったんです。そこから思い通りのボクシングができなくなっちゃって……狂ってしまったんです。試合感覚が戻るまでに、時間が掛かりました。特に三代大訓戦の時は、自分のボクシングを見失っていました」

 そんな苦しい時期を乗り越えて、今がある。先日、三代は挑戦者決定戦に勝利した。仲里が今週末の防衛戦をクリアすれば、再戦となる。日本チャンプは是が非でもリベンジしたいところだろう。

撮影:筆者
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 24日、仲里周磨は地元ファンの大声援を背に、花道を歩く。LAキャンプの成果をどのように見せるだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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