Yahoo!ニュース

2回KOで決着がついたWBAスーパーミドル級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター
Amanda Westcott/SHOWTIME

 現地時間12月16日にミネソタ州ミネアポリスで催されたWBAスーパーミドル級タイトルマッチは、キューバ人サウスポーの王者、デビッド・モレル・ジュニアが2ラウンド1分43秒で、挑戦者セナ・アグベコをストップし、6度目の防衛に成功した。

Amanda Westcott/SHOWTIME
Amanda Westcott/SHOWTIME

 モレルは初回から、力強いジャブで力量の違いを見せる。終始、己の距離を保ち、アグベコが入ってくるところに右フック、左ストレートを合わせた。

 前日計量をチャンピオンは167.6パウンド、チャレンジャーは167パウンドでクリアしたが、0.6パウンドの重さ以上にサイズの違いが顕著だった。

Amanda Westcott/SHOWTIME
Amanda Westcott/SHOWTIME

 ファーストラウンド終盤には、モレルがいつKOするか、といった展開となる。そして2回、挑戦者をコーナーに詰めたモレルがハードヒットを繰り返すなか、レフェリーが試合終了を宣言した。

 勝者は語った。

 「この試合を見に来てくれたファンの皆さん、ありがとう!とても幸せな気分だね。 俺は誰が最強なのかを示しているところだ。準備は整ったよ。来年が楽しみだ。自宅に戻ってクリスマスを楽しみ、新しい年に備える。

 俺のファイトに興奮するから、会場に来てくれるんだよね。今夜は両親も、初めてアリーナで生観戦してくれた。だから特別な日になった。俺の時、俺の夜になったな。2024年もいい年にしたい」

Amanda Westcott/SHOWTIME
Amanda Westcott/SHOWTIME

 そして結んだ。

 「2024年はデビッド・ベナビデスと戦いたい。100パーセントやりたい!」

 王者の戦績は10戦全勝9KO、アグベコは 28勝(22KO)3敗となった。

Amanda Westcott/SHOWTIME
Amanda Westcott/SHOWTIME

 ご存知のように、このファイトはSHOWTIMEが放送するラストマッチとなった。今後のビッグマッチは、ネット配信が中心となっていく。ひとつの時代が終わったが、今後のボクシング中継の行方も気になるところである。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事