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いきなり39得点したBESTポイントガードの新天地初戦

林壮一ノンフィクションライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2021年のNBA王者、ミルウォーキー・バックスが今季初戦を118-117で勝利した。今日のNBAでベストPGと呼べるデイミアン・リラードにとっては、新しいユニフォームに身を包んでのデビュー戦だった。39得点、8リバウンド、4アシストをマークし、白星に貢献した。

 昨シーズンの2月26日、ヒューストン・ロケッツ戦で71得点したリラード。ミルウォーキーでは、彼を生かすチームメイトに恵まれた感がある。一昨年のファイナルで大車輪の働きを見せ、チームの柱であるヤニス・アデトクンボをして、「今夜のゲームはDAME TIME!だった」と言わしめる活躍だった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 バックスが挙げた最後の16得点のうち、14点がリラードのゴールだった。この日は、ミルウォーキーのホームゲーム。地元ファンの心を早くも鷲掴みにした。1点差での勝利も、まるで映画のフィナーレのようだった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 この夜のリラードは、スロースターターと呼べた。最初の5本のシュートのうち、4本を外す。それでも、エンジンが掛かると本来の動きを取り戻した。

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズも力のあるチームだが、どうしてもリラードを警戒せざるを得ない。そこにスペースが生まれ、バックスの他のメンバーはチャンスを得た。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 試合後、リラードは語った。

 「チームが俺に自信を与えてくれた。チームメイトとは十分な会話をしている。特にヤニスとね。皆が俺を理解してくれている」

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ポートランド・トレイルブレイザーズ時代のリラードは、あまりにも特筆し過ぎており、味方が彼のレベルに達していなかった。が、ミルウォーキーでは生き生きしている。

 上々の滑り出しを見せたリラードを擁するバックス。今シーズンの台風の目となる可能性は十二分にある。楽しみなチームだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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