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無敗対決を制したWBAフェザー級4位

林壮一ノンフィクションライター
Stephanie Trapp/SHOWTIME

 WBAフェザー級4位にランクされるミルコ・ジェヒエル・クエジョ(22)が、プロデビュー以来、13連勝をマークした。そのうち11回がKO勝ちと、なかなかの倒し屋である。

 今回の対戦相手、ルディ・ガルシア(26)も13勝(2KO)1分けと、負け知らずのファイターだった。

Stephanie Trapp/SHOWTIME
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 アルゼンチン人であるクエジョは、刺すようなジャブと力強い左フックを打ち込んでガルシアの左目と鼻から出血させる。更に重いパンチでポイントを稼いだ。彼は放ったジャブの35%、パワーパンチの35%をヒットし、リングをコントロールした。

 結局、3名のジャッジそれぞれが99-90と採点する大差判定勝ちを収めた。

Stephanie Trapp/SHOWTIME
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 試合後、クエジョは語った。

 「私がこれまで対戦した中で最もタフな相手でした。10ラウンドを戦うのは初めてだったので、多くを学びました。私はアメリカで戦うのが大好きなので、近いうちに、またSHOWTIMEのリングに上がりたいですね」

 デビュー戦、第2戦でアメリカのリングを経験した世界4位にとって、全米ネットで試合がオンエアーされるのは初めてだった。

Stephanie Trapp/SHOWTIME
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 同ファイトは、多少、物議を醸している。第3ラウンド残り30秒、ガルシアがショートの左フックをヒットしてクエジョの腰を落としたが、レフェリーのジョン・ショールはダウンとは判断せずに試合を続行させた。

 一方で5ラウンドにガルシアが右肩へのパンチを受けてダウンした折には、迷わずカウントを開始した。

 とはいえ、アメリカンであるガルシアにとって、開催地は母国。クエジョにとって敵地であるのは述べるまでも無い。

Stephanie Trapp/SHOWTIME
Stephanie Trapp/SHOWTIME

 今回の勝利で、クエジョはまた自身のランキングを上げるだろう。タイトルマッチに結び付けられるだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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