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WBAスーパーライト級チャンピオンが望む初防衛戦の相手

林壮一ノンフィクションライター
Esther Lin/SHOWTIME 新WBAスーパーライト級チャンピオン

 5月13日にWBAスーパーライト級チャンピオンとなったローランド・ロメロ(15勝13KO)1敗は、初防衛戦の相手としてライアン・ガルシアを希望し、他の世界ランカーに興味はないとアナウンスした。

 イスマエル・バローゾに勝利し、物議を醸した27歳のロメロは「レフェリーのトニー・ウィークスが9ラウンドでストップしたのは正しい判断だった」と話した。

 バローゾにとっては非常に残念だが、リターンマッチは行われそうもない。なぜなら、ロメロはライアン・ガルシア戦のみを望み、その後、WBA/WBC/IBF王者エロール・スペンスに挑むために、更にウエルター級147ポンドに上げることを考えているからである。

Esther Lin/SHOWTIME  ジャーボンテイ・デービスにKOされたガルシア
Esther Lin/SHOWTIME ジャーボンテイ・デービスにKOされたガルシア

 ガルシアもまた、ロメロが自分と戦うことに興味を持っていることを熟知しており、SSN上ではその申し出に応じることを否定しない。ガルシアも、ロメロとの対決は魅力的な選択肢であると捉えているのだ。

 ガルシアも4月22日にジャーボンテイ・デービスに7回KO負けを喫したばかりだ。片膝をついて棄権した姿は「アマチュアにしか見えなかった」と酷評されている。

 『Boxing News24』は述べる。

 「ガルシアが140パウンドの他のチャンピオン、レジス・プログレイスやジョシュ・テイラーに挑戦しても、黒星を挙げるのは難しい。また、ロメロのWBAタイトルに挑戦するよりも収入が少なくなってしまうだろう。少なくともロメロとの対戦は、勝機がある。ロメロがいかなる欠点を抱えているかを考えてみればいい」

 Esther Lin/SHOWTIME
Esther Lin/SHOWTIME

 ロメロの勝利は、間違いなくレフェリーが味方したモノだった。彼もまた、2022年5月28日にジャーボンテイ・デービスに6回KO負けを喫している。

 デービスに敗れた者同士のサバイバルも、見所がありそうだ。 

Chris Esqueda/Golden Boy Promotions
Chris Esqueda/Golden Boy Promotions

 ロメロは、デービスに敗れて1年のブランクを作ってからカムバックした。その内容から察するに、どこかが壊れてしまったようだ。

 ボディーブローを喰らってキャンバスに膝を着き、戦意を失ったガルシアも深刻なダメージを負った可能性がある。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 改めてデービスの破壊力を感じる。

 ローランド・ロメロvs.ライアン・ガルシアは、実現するだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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