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29戦全勝27KOのウエルター級がIBF暫定王座を狙う

林壮一ノンフィクションライター
Amanda Westcott/SHOWTIME

 SHOWTIMEが売り出してきた29戦全勝27KOの(IBFウエルター級1位、同WBA2位、同WBC3位)ジャロン・エニス(25)が、IBF暫定王者決定戦に出場することになった。来年1月7日、ワシントンDCのリングに上がる。

 対戦相手は21勝(11KO)1敗でIBF同級4位のウクライナ人、カレン・チュハジアン(26)。

 エニスはついに掴んだチャンスに目を輝かせている。

 「今回の一戦に全てを懸ける。自分にとってはPPVで放送される初めてのファイトだ。故郷のフィラデルフィアからそう遠くない地での戦いだから、ホームのような感覚で戦える。

 俺は才能に恵まれているし、強い選手だ。そのうえ努力を重ねている。だから勝ち続けているんだ」

 フィラデルフィアから誕生する世界王者のリストに、自身の名を加えることがエニスのモチベーションを高めている。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210408-00230532

ジョー・フレージャーは、フィラデルフィアの住民だった。 撮影:筆者
ジョー・フレージャーは、フィラデルフィアの住民だった。 撮影:筆者

 「フィリーにベルトを持ち帰りたいね。基礎のしっかりした本物のボクサーは、フィラデルフィア・スタイルと言っても過言ではない。俺はもう、世界タイトルに挑むに十分な力を持っているぜ。ずっと世界戦を希望してきたしね。

 DCでの試合は好きだから、最高の夜にしてみせる。チュハジアンはヨーロッパ・スタイルの偉大な選手だと感じる。俺を苦しめもするだろうが、必ずノックアウト勝ちするよ。

 我がチームは一つの策だけでなく、あらゆる局面を予測して準備している。今回のキャンプには何名かのヨーロッパの選手も呼んで、対策を練っているんだ。ただ、特に新しいものは感じない。ここで勝てば、本物の王座に挑めるよな。もしチャンピオンが俺との戦いを受けないなら、キース・サーマンかヨルデニス・ウガスとやりたいね」

 エニスはフィリーの星となれるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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