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間も無くゴング! さいたまスーパーアリーナを見逃すな!!

林壮一ノンフィクションライター
撮影:筆者

 今夜の「さいたまスーパーアリーナ」は熱戦が続きそうだ。メインイベントのWBC/WBA統一ライトフライ級タイトルマッチ、寺地拳四朗vs.京口紘人。両者が大学生だったアマチュア時代の戦績は、WBC王者の3勝1敗。

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 だが時は流れ、互いにプロとして頂点に達してからの対戦である。直近の2試合で海外防衛に成功し、技術的にも精神的にも充実した京口がアドバンテージを生かすと見る。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20221025-00320517

https://friday.kodansha.co.jp/article/268446

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 セミファイナルではメインと同じ階級のWBO王者、ジョナサン・ゴンザレスに岩田翔吉が挑む。ゴンザレスは京口の勝利を予想しながらも、メインイベント勝者との対戦を希望する。

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 ゴンザレスは前日計量の際、全裸で秤に乗ってパス。オスカー・デラホーヤがフェリックス・トリニダードに敗れたファイトが甦った。削ぎ落とさなかった100グラムの慢心が明暗を分けた。果たして今夜はどうなるか。

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 そして、WBOフライ級タイトルを返上した中谷潤人が2階級制覇を目指し、スーパーフライ級での初陣を飾るファイトも期待十分だ。 

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 中谷が15歳だった時から指導する、ルディ・ヘルナンデスは語る。

 「今回は、長いキャンプを張った。接近戦でも中間距離でも完璧に戦える。特に驚くことは無いと思うよ。ジュントは、誇張無しで100%の状態でリングに上がる」

撮影:筆者
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 また、WBOアジアパシフィック、ライト級タイトルマッチ、吉野修一郎vs.中谷正義も興味深い。最終記者会見で吉野は「国内のライト級最強が決まる試合」とコメントしたが、これに待ったをかけるのがワタナベジム勢の2名だ。

撮影:筆者
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 OPBFスーパーフェザー級王座を返上し、ライト級に転向した三代大訓は今年4月7日に行われた吉野修一郎vs.伊藤雅雪を忸怩たる思いで目にした。村田諒太vs.GGGの前座として組まれたカードである。

 三代は言ったものだ。

 「自宅でアマゾンプライムを見ているのが悔しかったです。あそこに立ちたかったというか、伊藤選手には勝っていますし……誰が悪いということはなく、自分の力不足を感じました」

 現在WBOライト級14位、IBFで15位にランクされる三代と、日本同級王者の宇津木秀は先週の土曜日、今夜の興行の為に来日したマッチルームのスタッフの前でスパーリングを行った。無論、上を目指してのアピールである。

撮影:筆者
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 宇津木は、挑戦者として今夜、WBOアジアパシフィックのベルトを奪いにいく中谷正義のパートナーに抜擢され、30ラウンドのスパーリングをこなした。

撮影:筆者
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 宇津木も話した。

 「中谷さんは強いです。国内のライト級で、トップに一番近い人を肌で感じられて、とても勉強になりました。吉野戦でも長いリーチを生かした戦いになるでしょう。逆に吉野選手は中に入りたいですよね。

 序盤に中谷さんが倒すか、後半勝負なら吉野選手かなという予想です。吉野選手は、じわじわと距離を詰めていくんじゃないでしょうか。

 ただ、僕はどちらとの試合が決まっても、負ける気は無いです」

 今夜は、それぞれのファイターたちが己を懸けて火花を散らす。そして、当然のことながらその勝者を獲物として狙う者がいる。熱く燃えるさいたまスーパーアリーナに注目だ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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