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3年3ヵ月ぶりの再戦

林壮一ノンフィクションライター
Tom Hogan/Golden Boy::

 オスカー・デラホーヤの従兄弟にあたるメキシコ人ファイター、ディエゴ・デラホーヤ。互いの父が兄弟という血縁関係である。オスカーの兄、ジョエルがマネージャーとなってゴールデンボーイ・プロモーションと契約し、2013年にプロデビュー。

 以来、22勝(10KO)1敗1ノーコンテストでキャリアを積んできた。コロナ禍で2年7ヵ月のブランクを余儀なくされたが、先日フェザー級10回戦のリングに上がり、KO勝ちを収めた。

Tom Hogan/Golden Boy:
Tom Hogan/Golden Boy:

 対戦相手のエンリケ・ベルナチェは24勝(12KO)13敗1ノーコンテスト。両者は2019年4月13日にも拳を交えており、第2ラウンド終了間際に偶然のバッティングでベルナチェが負傷。試合続行不可能と判断され、ノーコンテストとなった。

 再戦となるまでの3年3ヵ月の間に、ディエゴとベルナチェには大きな差がついていた。

 ファーストラウンドから、ディエゴは鋭いワンツー、顎へのアッパー、左ボディーと多彩な攻めを見せる。アングルを変え、飛び込みながらの左フックも効果的だ。

Tom Hogan/Golden Boy:
Tom Hogan/Golden Boy:

 対するベルナチェはバランスが悪く、足元が覚束ない。リングシューズの底が剝がれていると判断したコーナーがテーピングを巻き付けるが、それでも再三、足を滑らせる。

 スピードが無く、大振りでディエゴを捉えることは叶わない。

Tom Hogan/Golden Boy::
Tom Hogan/Golden Boy::

 4回2分51秒、ディエゴが連打を浴びせたところで、レフェリーが試合を止めた。

 試合後、ディエゴは語った。

 「リングに上がれてとても嬉しい。ベルナチェはタフでした。2年以上も試合が出来なかったから。最高の気分です。

 9月にまたやりたい。そしてなるべく早く世界タイトルに挑戦したいですね」

撮影:筆者
撮影:筆者

 オスカーは今後、従兄弟をどのように売り出していくか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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