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WBAレギュラー・ヘビー級新王者

林壮一ノンフィクションライター
(C)David Martin-Warr / DKP

 フロリダ州マイアミで催されたWBAヘビー級レギュラー・タイトルマッチ、王者トレバー・ブライアンvs.指名挑戦者、ダニエル・デュボイス戦は、4回TKOでデュボイスが新チャンピオンとなった。

 記者会見では威勢がよかったブライアンだが、リングに上がると腹の贅肉がタプタプと揺れた。22戦全勝15KOとブライアンの戦績は申し分ないが、今年1月の防衛戦もかなりお寒かったので、近く敗れる日が訪れそうな気配だった。案の定といった内容で、王座から転落した。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20220214-00280096

(C)David Martin-Warr / DKP
(C)David Martin-Warr / DKP

 初回から、ビール腹のブライアンは動けない。デュボイスのジャブ、時にワンツーを浴びては顔を顰めた。

 第4ラウンド、左フックを喰らって大きく後退したチャンピオンに、挑戦者は更にショートの左フックをヒット。ブライアンは前のめりにキャンバスに沈んだ。

(C)David Martin-Warr / DKP
(C)David Martin-Warr / DKP

 新チャンピオンは語った。

 「僕が新王者です! 最高の気分です。子供の頃からの夢が叶いました。ついにやりました!! 父や家族、自分を支えてくれた人々を誇りに思います。祖国、イングランドの威信をかけて戦いました。

 初回、ブライアンの出方や彼が何を持っているか、顎が強いかどうかを観察しました。ブライアンを過小評価したことはなく、勝つ為にハードなトレーニングを重ねました。彼の左がやっかいかなとも感じましたが、パーフェクトなKOでしたね。世界タイトルを手に出来て、本当に幸せです。

 次のレベルに上がりたいですね。ディリアン・ホワイトとかジョセフ・パーカーあたりを候補と考えていますが、誰とだってやりますよ」

 ヘビー級冬の時代は実に長い。昨今、他の階級が充実しているだけに、その低迷は見ていて苦しくなるほどだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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