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WBAスーパーミドル級レギュラー王者の言葉

林壮一ノンフィクションライター
(C)Sean Michael Ham/TGB Promotions

 6月4日に3度目の防衛戦を控えるWBAスーパーミドル級レギュラー王者のデビッド・モレル・ジュニアが、先日Zoom会見で試合前の心境を語った。

 6戦全勝5KOのサウスポーはキューバから亡命し、ミネソタ州ミネアポリスに住む24歳だ。次戦は、そのミネアポリスでのファイトとなる。

 今回の対戦相手は15勝(11KO)1敗1分けで、WBA11位にランクされるカルビン・ヘンダーソン(31)。

初防衛戦は初回KO勝ち  (C)Sean Michael Ham/TGB Promotions
初防衛戦は初回KO勝ち  (C)Sean Michael Ham/TGB Promotions

 試合を25日後に控えたチャンピオンは語った。

 「俺は、クオリティーの高いファイターであるヘンダーソンを、心から尊敬している。今回のファイトが非常に楽しみだよ。ミネアポリスではこれまでに3度試合をしているが、すべてノックアウト勝ちした。6月4日にファンの皆さんと再会できることを心待ちにしているのさ。

 自分の能力を世界に示す素晴らしい機会だと感じている。俺の価値、そして武器を存分にお披露目したい。スーパーミドル級でのビッグファイトは、いつでもOK。これに勝って、次に繋げたいね。それが、大いなるモチベーションとなっている。

 2度目の防衛戦は4回KO勝ち  (C)Sean Michael Ham/TGB Promotions
 2度目の防衛戦は4回KO勝ち  (C)Sean Michael Ham/TGB Promotions

 ヘンダーソンの短所や弱点は見えない。ただただ、楽しみながら自分の仕事を遂行したい。

 祖国、キューバを離れてから間もなく4年になる。その期間、家族とは会えていない。でも、アメリカという国は、キューバ人ファイターが夢を叶えられる。プロで戦えるんだからね。実に幸せなことだよ。とにかく、ファンに喜んで頂ける試合をお見せする」

 モレルのトレーナーを務めるのは、1986年12月2日に浜田剛史の持つWBCジュニアウエルター級タイトルに挑んだロニー・シールズ(判定負け)である。

 シールズ効果についても、チャンピオンは触れた。

 「昨年末の2度目の防衛戦では3週間しかコーチを受けられなかったので、あまり成長を実感出来なかった。でも今回は既に10週間、共に過ごしている。これ以上無いっていう程の相性の良さを感じているよ。彼がいるからこそ、100%の状態に仕上げてリングに上がれるだろう」

 粗い部分も多いが、勢いに乗るモレル。同タイトルのスーパー王者は、御存知のようにサウル・"カネロ"・アルバレスだ。モレルにビッグマッチは用意されるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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