26歳のフィリピン人チャレンジャー、マーク・マグサヨが、ゲーリー・ラッセル・ジュニア(33)を判定で下してWBCフェザー級タイトルを奪取した。

 身長で5センチ、リーチで10センチのアドバンテージを生かし、マグサヨは初回から積極的に手を出す。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 僅か0.5パウンド(226.8グラム)のオーバーとはいえ、ラッセルは前日計量を一発でクリア出来なかった。このファイトに懸ける気持ちが足りなかったことに加え、リングに上がるのは2020年の2月8日ぶりと、ブランクの影響を感じさせた。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20220123-00278307

 ボクシング界では世界の至る所で「己に勝てない人間が、相手に勝てる筈がない」という言葉が飛び交うが、ラッセルは計量時点で敗れていたと言える。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 そのラッセルは第4ラウンド27秒、マグサヨの右フックを喰らう。直後に右肩を痛めた。ケガは深刻そうで、以降、左腕のみで戦うこととなった。

 マグサヨにとっては、同タイトル挑戦者決定戦として交えた昨年8月21日のフリオ・セハ戦の方が、よほど難しいファイトであった。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210827-00254761

 スコアは115-113、115-113、114-114であったが、マグサヨがラッセルを王座から「引きずり降ろした」と表現できる王座交代劇だった。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 31勝(18KO)2敗となった敗者は、試合後、次のように述べた。

 「実は2週間ほど前に右肩を痛めたんだ。でも、俺は本物の王者だから戦った。技術と共にリングインしたよ。

 ケガをしていようがいまいが、ファイトすることがチャンピオンの役目だし、ファンに応えるってことだろう。正直なところ、自分が勝ったと思う。再戦を希望する」

 空虚に響く言い訳だった。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 白星を一つ加え、24戦全勝16KOとなった新チャンピオンも語った。

 「彼が4回に負傷したことは分かりました。左一本で戦っていたので、私が有利になりましたね。『コンビネーションを出し続けろ。それが世界チャンプとなるための策だ!』というセコンドの指示を守りました。

 幼い頃からの夢が叶いましたよ。王座に就けた自分を誇りに感じます。サポートしてくれたフィリピンのファンにお礼を言いたいですね」

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 ラッセルが求める再戦についても、次のように答えた。

 「それはプロモーターが決めることです。私はチャンピオンですから、誰とだって喜んで戦いますよ」

 両ファイターの明暗を分けたものとは、この一戦に対する<覚悟>であったかに見えた。