年俸2170万ドルと、インディアナ・ペイサーズで最も高いサラリーを受け取っているポイントガードのマルコム・ブログドン(29)。

 彼のファーストネームの由来はマルコムXだそうだが、より影響を受けたのはマーティン・ルーサー・キング・ジュニアだと本人は語る。 

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア写真:Shutterstock/アフロ

 ブラックが人権を獲得するために己の人生を捧げ、39歳の若さで暗殺されたマーティン・ルーサー・キング・ジュニアと同じ故郷ーーージョージア州アトランタでブログドンは誕生した。

 自宅から徒歩で通える地に建つマーティン・ルーサー・キング・ジュニア・センターを訪れながら育ったブログドンは、黒い肌の意味やリーダーシップを学びながら成長する。

 「幼い頃は、キング牧師について十分には理解できていなかったけれど、高校や大学に通う頃になって、強く意識するようになった。自分のルーツとも関係があるし、祖母が彼と一緒にワシントン大行進に参加しているんだよ」

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 アメリカ合衆国は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの誕生日である1月15日に近い、1月の第3月曜日を国民の祝日としている。2022年は1月17日がその日にあたり、ペイサーズは敵地、クリプトドットコム・アリーナでロスアンジェルス・クリッパーズと対戦した。

 NBAは、1963年8月28日にキングが述べた演説の中から「NOW IS THE TIME TO MAKE JUSTICE A REALITY FOR ALL(今こそ、人類の為に正義を現実のものとすべき時だ)」という一文を抜粋し、オリジナルTシャツを全員で着て、先人の足跡に敬意を払った。

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 ブログドンは言った。

 「素晴らしいよね。キング牧師が語ったように、男女問わずプロのブラック・アスリートは夢を持っている。いや、誰にだって夢がある。そして自分が生きている場所で、各々の夢を見る権利がある。それを得る為に、自由の為に闘った人々のことを、心から誇りに感じる。

 極めて重要な人物は、リーダーとなって世の中を変えるんだ。彼は黒人の為、あの時代だけでなく、今を生きる世代の我々の為にも動いた。そればかりか、アメリカ国家そのものも変えたって言えるんじゃないか。だから、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーはプレーしたいんだが……」

 右アキレス腱のケガに苦しんでいるペイサーズのエースは、今季43試合中27ゲームしかコートに立てていない。

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 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーに、エースのいないペイサーズは133-139でクリッパーズに敗れた。一時、19点差のビハインドを負いながらも、よくぞ巻き返したと表現できる最終Qであったが、ゲームを終えて今シーズンは15勝29敗、4連敗と厳しい状況に置かれている。

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 17日のクリプトドットコム・アリーナでは、第2Qの残り14分1秒となった折、コート上のスクリーンでマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの映像を流し、功績を称えた。

 ブログドンはこの日、何を感じただろうか。復帰後のコートで、自身の思いをぶつけてほしい。