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初回のダウンを挽回し、全勝街道を走るスーパーフェザー級

林壮一ノンフィクションライター
(C)Sean Michael Ham/PBC

 16勝(10KO)3敗のアイザック・アベラ―と、13戦全勝10KOのヘクター・ルイス・ガルシアの8回戦は見応えがあった。

 ガルシアは、日本のファンにもお馴染みであるイスマエル・サラスの指導を受ける30歳のドミニカ人。米国のリングに登場するのはプロ生活2度目であった。

 同胞のWBAスーパーライト級1位、アルベルト・プエジョと共に、ラスベガスに建つサラスのジムで調整し、試合当日を迎えた。

(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 サウスポー同士の対戦となった同ファイトは、ファーストラウンド1分4秒でアベラ―が左ストレートに合わせたカウンターの右フックをクリーンヒットしてダウンを奪う。

(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 それでもガルシアは冷静だった。アベラ―の動きを観察し、正確な左ストレート、右フックを当てて試合の流れを手繰り寄せる。

 「角度を変えながらストレートを見舞っていけ」というサラスの指示を守るとともに、手数でも圧倒した。

 結局、3名のジャッジそれぞれが78-73でガルシアの勝利を唱えた。

(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

  初回にダウンを喫しながらも、動じず、試合を構築した勝者のメンタルは、プロデビュー以来負け知らずであることの深みを感じさせた。

(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C)Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 サラスは「ガルシアはいい仕事をしたね」と満足そうに笑みを浮かべた。このコンビ、相性が良さそうだ。今後、大舞台で結果を残せるか? 注目したい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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