WBCスーパーバンタム級チャンピオンのブランドン・フィゲロア(24)と、WBO同級王者、ステファン・フルトン(27)との統一戦ゴングまで半日となった。

　当初、この試合は9月18日に予定されていたが、同級WBAレギュラータイトルも保持するブランドン・フィゲロアが新型コロナウイルスに感染し、延期された。

　フィゲロアの戦績は22勝（17KO）1分け、フルトンは19戦全勝8KOと、共に負け知らず。井上尚弥の階級とも近く、フィゲロアは今年5月にあのルイス・ネリにKO勝ちしていることもあり、日本人ファンの関心も高い一戦であろう。

　フィゲロアもフルトンも121.75パウンドで、前日計量をパスした。試合4日前に催された、バーチャル会見での両者の言葉をお届けしよう。

　フィゲロアは語った。

　「ついに試合が出来る。2度のトレーニングキャンプをこなし、最高のコンディションだ。俺は以前よりも強くなった。年間最優秀試合になるような、白熱したファイトになるよ。

　この舞台で、自分は統一チャンピオンとなる。新たなタイトルを得るために、俺は今、ここにいるんだ。故郷や家族にも新たなベルトを届けたい。自分がそれを成し遂げることは良く分かっている。

　俺を評価しない人間もいるが、自分が賢いファイターだからこそ、無敗だし、多くのKO勝ちを飾ってきた。フルトンはデカ過ぎるプレッシャーを感じ、俺のパンチにおののくだろうよ。9ラウンドまでに俺をストップするなんて言っているが、こちらは世界王者や元チャンプを沈めてきたんだ。今回もそうなるだろう。

　ルイス・ネリ戦も俺の劣勢を予想する人が多かったが、圧倒しただろう？　今回もそんな風になるぜ」

　「自分のゲームプランを実行する。多くの対戦相手は、俺にパワーが無いと思っていたが、間違いだったよな。パワーとスピードを兼ね備えたコンビネーションで、圧倒できるだろう。俺はKOの仕方を知っているんだ。

　フルトンはテクニシャンだし、速い。素晴らしい選手だよ。でも、今は俺の時代だ。こちらは背の高さとリーチを使う。アドバンテージを利用した作戦を立てている。ただ、予想外の展開となった場合のために3～4種の策を練ってきた。ジャブを使って、クロスレンジで戦いたいね」

　ステファン・フルトン・ジュニアも話した。

　「私のキャリアはフィゲロアよりも優っています。昔から、誰もが戦いたがらない無敗の相手とのリスキーな試合を重ねてきました。厳しい道を進んで来たのです。フィゲロアにとって私は最も大きな敵であり、過去にないレベルです。彼は、私の水準の相手と拳を交えたことはありません。フィゲロアのこれまでの対戦相手と私じゃ、比較にならないでしょう。

　フィゲロアのパワー、作戦、スピードは、私との試合において何の意味も持ちません。リング上で消されてしまうでしょう。彼は角度を考慮しながら、休まずに出てくるでしょう。こちらとしてはありがたいです。私は試合を途中で投げる選手が嫌いだし、私自身もけっしてそんなことはしません」

　「今回、素晴らしいキャンプをこなし、万全の準備でリングに上がります。最高のパフォーマンスを見せますよ。

　統一チャンプになることは、自分にとってこの上ない意味があります。11月27日、自分は、フィラデルフィアから誕生する初の統一スーパーバンタム級王者となるのです。

　まだ誰もベストの私を見たことは無いですね。私は真正面からの打ち合いが好きです。フィゲロアはハードパンチャーかもしれませんが、こちらには頭の良さと、それをベースにした動きがあります。統一王者になるという楽しみが、私のモチベーションを上げてくれていますよ。

　私こそ、122パウンドで最高の選手です。それを証明します」

　見逃せない一戦だ。勝者は将来、井上尚弥と絡むか？