ダウンを喫しても動じなかった18戦全勝16KOのスーパーミドル級
17戦全勝16KOの新星、スーパーミドル級のエドガー・ベロンガ(プエルトリコ)と、30勝(16KO)2敗1分けのマルセ・エステバン・コセレス(アルゼンチン)の10回戦は見応えがあった。
KOを狙って一発、一発、思い切りパンチを振るっていくベロンガが前半はペースを握る。だが、4ラウンドからコセレスのビッグショットもプエルトリカンを捉える様になる。
手数、クリーンヒットの数で劣勢に立たされ、右目が塞がったコセレスだが、第9ラウンドにカウンターのオーバーハンドライトで起死回生のダウンを奪う。ベロンガの左フックに合わせた、狙い澄ましたショットだった。
同ラウンドの残り時間は10秒。
コセレスは左右のフックでフィニッシュを試みるが、ベロンガはゴングに救われる。
1分間のインターバルでベロンガは回復し、再び前に出る。
結局、3人のジャッジ全員が96-93と採点してプエルトリカンが勝者となった。
視界を奪われ、ポイントでリードされながらも、カウンターを狙って相手を沈めたアルゼンチン人も、終始下がらずに己のボクシングを貫いたベロンガも、心技体と鍛え抜いた姿を見せた。
ダウンにも動じず、試合終了のゴングまで攻め続けたベロンガは、このファイトから大きなものを学んだに違いない。
全力でファイトした敗者も称えられるべきパフォーマンスを見せた。