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長谷川穂積とWBCフェザー級王座を争ったメキシカンvs.デビュー以来15連勝中のドミニカン

林壮一ノンフィクションライター
(C)Sean Michael Ham/PBC

 25歳のドミニカン、ライト級のスターリング・カスティーリョが米国での2戦目に判定勝ちし、自身の戦績を16戦全勝12KOとした。

(C)Sean Michael Ham/PBC
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 対戦相手に選ばれたのは33歳のメキシカン、ホアン・カルロス・ブルゴス。2010年11月26日にWBCフェザー級王座決定戦で長谷川穂積と対峙している。あの日から10年以上が経つが、今日も現役を続けている姿に声援を送りたくなった。

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 とはいえブルゴスは、2018年9月28日以降、この日までに4戦して1勝3敗。峠を越えた感は否めない。

 サウスポーで長いリーチのカスティーリョはストレートを主体とした攻撃を見せる。ブルゴスはなかなか懐に飛び込めない。時折接近戦で左右のフックを見舞ったが、主導権を得るには至らなかった。

(C)Sean Michael Ham/PBC
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 試合後、カスティーリョは言った。

 「私は常に距離感を重視したトレーニングをしている。今日、勝利するために、出来る限りの準備をした。その結果、自分の能力を示せたと思う。距離の取り方が、アドバンテージとなっていたでしょう」

 ドミニカンは98-92、97-93、96-94と3-0で明確な勝利を収めた。

 「この試合を放送してくれたFOXや、この機会を与えてくれた人々に感謝する。自分の可能性を示せたつもりだ。常に最高の自分をお見せできるよう努めている。いつでも次のステージで戦えるようにしているよ」

 そう結んだカスティーリョ。まだ世界ランキングには顔を出していないが、どのような未来を築いていくか。

 敗れたブルゴスは、34勝(21KO)6敗2分けとなった。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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