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「パッキャオvs.ウガス」間も無くゴング! 本当にPACMANのラストファイトとなるか?

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Scott Kirkland / FOX Sports

 前日計量をヨルデニス・ウガスは147パウンド、パッキャオは146パウンドで一発パス。ついに今日、WBAウエルター級タイトルマッチのゴングが鳴る。

 Photo:Scott Kirkland / FOX Sports
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 最終記者会見で、ウガスは言った。

 「ここまでの道のりは、自分にとって長かった。こんな機会を与えてもらって、心から感謝する。勝機は十分あると信じている。対戦相手が急遽代わったが、試合前2週間で我がチームはパッキャオ戦に向け、適応できた。100%の状態でリングに上がるよ。

 この試合について、俺は何も言い訳はしない。ただ、自分が注目されていなかったことは事実だ。今は違うがね。

Photo:Scott Kirkland / FOX Sports
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 パッキャオは、俺をKOできないさ。6年以上かけて準備し、この日を迎えたんだ。自分の距離で戦うよ。12ラウンド、フルに戦う準備をした。これがパッキャオにとって引退試合となるにしても、最後の相手がベストファイターだったということを世界中に証明する。

 俺はキューバの自由のために戦い、国民にこの試合を捧げる」

 Photo:Scott Kirkland / FOX Sports
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 パッキャオも語った。

 「リングで私に挑戦していないのに、誰かの手に自分のベルトが渡ってしまうなんてよくない。我々は共にチャンピオンだ。が、試合後どちらがベルトを巻いているか、誰もが知ることになる。

 WBAが私を休養王者としたことについて討論するのもいいが、リングで白黒を付けるべきだよね。

 対戦相手がウガスとなったが、僅か2日で対応できた。私は何人もの右利き選手と戦ってきたからね。オーソドックスとの対戦を予定していたのに、サウスポーと戦うことになるケースの方が難しいでしょう。これまでの対戦相手のほとんどがオーソドックスだったので、まったく心配いらない。

 Photo:Scott Kirkland / FOX Sports
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 自分は若いと感じている。私にとってパッションであるボクシングを、こうしてできることが幸せだ。今回のトレーニングキャンプは、心の底から楽しんだ。毎日、己を捧げ、自分を律しながらね。

 前回のキース・サーマン戦前は、毎日25ラウンドのトレーニングだった。今回は日々30ラウンドこなした。コーチ陣が私を止めねばならなかったよ。

 チャンスがあれば、もちろん倒しにいく。ファンはKOを望んでいるからね。私はウガスを過小評価してはいない。彼はタフで経験も豊富だ。五輪にも出場している。だからこそ、今回の勝利には価値がある。

 Photo:Scott Kirkland / FOX Sports
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 駆け出しの頃、自分がボクシング界でここまで成功できるなんて思いもしなかった。できる限りのパフォーマンスで、ファンに喜びを届けたい」

 今回の試合に関して「最後になるかもしれない」という言葉を繰り返す42歳のPACMAN。さて、どんな試合を見せるのか。

 42歳といえば、ジョージ・フォアマンが統一ヘビー王者だった28歳のイベンダー・ホリフィールドに挑み、敗れながらも男を見せた年齢である。

 パッキャオらしい熱いファイトを期待したい。間も無く、ゴングが鳴る!

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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