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カタールW杯へ向けて火花を散らした2021 CONCACAF Gold Cup

林壮一ノンフィクションライター
2019年のアジアカップでも活躍したアルモエズ・アリは5試合に出場し4得点(写真:ロイター/アフロ)

 7月10日から8月1日までの間、北米、中米、カリブの国に来年のW杯のホスト国であるカタールを加えた16カ国が参加し、CONCACAF Gold Cupが催された。

 全米各地10会場で、計31試合が行われ、現地時間の8月1日に、6万5000人の大観衆で埋まったネバダ州ラスベガスに聳えるNFLレイダースのスタディアムで決勝が行われた。

 勝ち上がったのは地元、アメリカ合衆国と、その宿命のライバルと呼べるメキシコ。過去に同大会で6度優勝しているアメリカと、8度のVを飾ったメキシコとのゲームは白熱し、文字通り<戦争>と形容できた。

写真:ロイター/アフロ

 終始メキシコが攻め、アメリカがカウンターを狙う展開であったが、延長後半に得たフリーキックからセンターバックのマイルズ・ロビンソンがヘディングを叩き込み、米国代表が1ー0で勝利した。

ロビンソンはMLSでもヘディングの強さを見せる
ロビンソンはMLSでもヘディングの強さを見せる写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ただ、今回のアメリカ代表チームはMLS選手で構成された所謂B代表。メキシコもフル代表ではなく、1.5軍的なメンバーであった。

 それでも、両者とも一歩も譲らずに激しい闘志を見せ、試合開始直後から、ピッチは戦場と化した。両国のサッカーに詳しいジュダ・ニューバイ記者によると、CONCACAF Gold Cupのメキシコ代表は、現在東京五輪を戦う選手たちより、数倍上の力量だという。

 既にW杯を見据えた準備として、この大会を迎えたとのことであった。

2019年のカタール代表
2019年のカタール代表写真:ロイター/アフロ

 ファイナルを戦った2チームと同様に、完成度の高さを見せていたのが、カタールである。アメリカに0-1で敗れたものの、準決勝まで勝ち上がり、5試合で12得点と破壊力を見せた。

 2019年のアジアカップ決勝でサムライブルーを3-1で下した時のチームよりも、格段に進歩している。特に4得点で得点王(他にも4得点は2名)となったアルモエズ・アリは、北米の地でも存在感を示した。

 カタールW杯まで1年強。どの国の強化が実を結ぶか。少なくとも今回のCONCACAF Gold Cupは、非常に見応えがあった。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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