カタールW杯へ向けて火花を散らした2021 CONCACAF Gold Cup
7月10日から8月1日までの間、北米、中米、カリブの国に来年のW杯のホスト国であるカタールを加えた16カ国が参加し、CONCACAF Gold Cupが催された。
全米各地10会場で、計31試合が行われ、現地時間の8月1日に、6万5000人の大観衆で埋まったネバダ州ラスベガスに聳えるNFLレイダースのスタディアムで決勝が行われた。
勝ち上がったのは地元、アメリカ合衆国と、その宿命のライバルと呼べるメキシコ。過去に同大会で6度優勝しているアメリカと、8度のVを飾ったメキシコとのゲームは白熱し、文字通り<戦争>と形容できた。
終始メキシコが攻め、アメリカがカウンターを狙う展開であったが、延長後半に得たフリーキックからセンターバックのマイルズ・ロビンソンがヘディングを叩き込み、米国代表が1ー0で勝利した。
ただ、今回のアメリカ代表チームはMLS選手で構成された所謂B代表。メキシコもフル代表ではなく、1.5軍的なメンバーであった。
それでも、両者とも一歩も譲らずに激しい闘志を見せ、試合開始直後から、ピッチは戦場と化した。両国のサッカーに詳しいジュダ・ニューバイ記者によると、CONCACAF Gold Cupのメキシコ代表は、現在東京五輪を戦う選手たちより、数倍上の力量だという。
既にW杯を見据えた準備として、この大会を迎えたとのことであった。
ファイナルを戦った2チームと同様に、完成度の高さを見せていたのが、カタールである。アメリカに0-1で敗れたものの、準決勝まで勝ち上がり、5試合で12得点と破壊力を見せた。
2019年のアジアカップ決勝でサムライブルーを3-1で下した時のチームよりも、格段に進歩している。特に4得点で得点王(他にも4得点は2名)となったアルモエズ・アリは、北米の地でも存在感を示した。
カタールW杯まで1年強。どの国の強化が実を結ぶか。少なくとも今回のCONCACAF Gold Cupは、非常に見応えがあった。